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2007年2月23日 (金)

医師への謝礼の効果 2006年1月20日

若い頃は厭なことでも正面からきちんと受け止めるべきだと考えていた。しかし、今は厭なことは明日考えれば良いと思っている。実際、悪いことが起きてから対処しても十分に間に合う。野生の動物たちのように、死の瞬間まで楽しく生きたいと思っている。

今日も「白い巨塔」の再放送を見た。BGMのアメージンググレースが良い。
昔、43歳で絵描きに転職して、無収入が2年間続いていた。その頃、その曲を散歩をしながら聴いた。殊に、荒川の岩渕水門から上流に沈む夕陽を眺めながら聴いていた気持ちは忘れられない。野垂れ死に覚悟の転職であったが、不思議と滅入っていなかった。当時はバブル崩壊直後であったが経済はまだ元気で、野垂れ死にの真の意味が、本当に分かっていなかった。

今日の「白い巨塔」の中で関西財界の大物が治療快癒のお礼を医療スタッフ全員に渡すシーンがあった。封筒の厚さから見て50万〜100万程である。私には、そのシーンには苦い記憶がある。
母は80歳から13回も手術をしていて、その都度謝礼を渡していた。
ある時、いつものように執刀医に商品券を封筒に入れて渡した。額は5万程で、母の意向で1万円券と千円券を取り混ぜたので、20万程の厚みになっていた。それを医師は札束と勘違いしたようだ。突然に愛想が良くなった医師に、私は慌ててしまったが説明のしようがない。それ以降、その医師と会うのが気まずくて、付き添いは姉に頼むようになった。

医師の名誉の為に言うと、謝礼の多寡で治療方針が変わることは殆どない。それでも私が渡していたのは、昔気質の母の考えに従っていただけである。
治療方針は患者の家族の態度が大きく影響する。熱心に応援する家族囲まれている患者の治療はいいかげんに出来ないが、家族が無関心な患者に対しては、医師の気が緩むことがある。だから、難しい病気の患者は、なるべく多くの家族友人を伴って受診されることを薦める。それが、患者の大きな安全に繋がる。
それでも謝礼が気になる方は少し考えて欲しい。本当に世間の分かっている医師は、百万二百万の金より、家族達から医療過誤で訴えられない方を選ぶ。謝礼の多寡に無関係に、真面目に仕事を続ける方が得なことをよく承知しているのである。

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