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2007年2月23日 (金)

家庭医の突然の死に戸惑う。2006年1月21日

昨日は母の定期往診日。家庭医のKさんの来訪を待っていたが、いつまで待っても来ない。診療所へ電話をしたが繋がらない。何かあったと思い、医院前の馴染みの床屋さんへ電話をすると「Kさんは1月8,9日の連休中に亡くなりましたよ・・・」と思いがけない返事。Kさんは40台前半。太り気味だが突然亡くなるとは信じられない。
前に会ったのは1月6日で、母の定期往診に来て、帰り際「風邪がはやっていますので、くれぐれも気をつけてください」と聞いたばかり。
Kさんが亡くなったのはその直後の連休中であった。

床屋さんの話では、去年、Kさんのヒゲを剃っている時、何度か気分が悪くなって途中で止めたことがあるとのこと。そう言えば6日の処方箋で、母に関係ない病気の薬が加わっていたのも、集中力が失せていた所為かもしれない。加えて、本当の往診日は13日で、Kさんは自分の死を予感したように1週間早く往診に来た。
--Kさんの自宅は上野で当地では誰も死因は知らない。私は心臓辺りを起因とする突然死ではと思っているが・・・

Kさんは5年前、勤務医から独立し、老人医療を目ざして当地に開業した。
私がKさんを知ったのは、平成13年晩秋、郵便受けの「往診します」の小さな粗末なビラを見つけてからだ。それから間もなく、母はひどい下痢で寝込み。早速、医院へ出向いて往診を頼んだ。
緑道公園の木々の間を自転車を押すKさんと徒歩で我が家へ向かっていると、近所のおばあさんが「先日は本当に有り難うございました。」と、とても嬉しそうに挨拶した。その時私は、良いお医者さんに出会えて良かったと思った。
その日、Kさんは深夜まで母に付き添い点滴をしてくれた。
Kさんは熱心だったが、医院の経営は大変そうだった。だから、K医院の玄関に患者さんの履物が並んでいるのを見ると嬉しくなった。

最近では患者も増え、区立介護施設の嘱託医にもなった。
やっとこれからの時の突然死は気の毒でならない。決して、名医と言われるような切れる人ではなかったが、患者のことを一生懸命心がけている親切な先生だった。
それからK医院傍を通ると、ビル屋上の病院の看板は自動点灯していた。寒空に浮かぶK医院の看板は虚しいが、ビルの家主が長期入院中で、点灯装置を切る者がいない。孤独な老いと若い死、近未来を絵にしたような寒々とした光景であった。

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