彼岸が近づき母の逝った後を思う。 2006年3月15日
夕食の後洗濯をした。安売りで買ったタオルを下ろそうとしたが、機械油臭いのでそれも一緒に洗った。多分、中国製だろう。
いつもは部屋干しで済ますが、今日は量が多いのでタオルだけベランダに干すことにした。ベランダ脇の部屋で母はすでに寝入っていた。満月で明るいので、月明かりでタオルを物干しに吊るした。建物下の公園から若い男女の楽しそうな声が聞こえた。夜風は冷たいが、若者達にはいち早く春が来たようだ。
博多の菩提寺からお彼岸法要への喜捨を求める手紙が来ていた。去年からお寺の事は上の姉に任せてある。姉に電話をするとすでに送ったとの返事。最近、お寺は何か理由を付けては喜捨を求めて来る。母が健在なうちは応じることにしているが、その後は分からない。
電話の後、そろそろ、母が逝った後の葬儀や墓のことも考えておかなくては、と思った。埋葬形式は以前見た、北欧の公共墓地が良かった。色々な宗派や形式の中に自然葬の小高い丘がある。豊かに草花や樹木が溢れ、定期的に職員がそこへ散骨するのである。死者が草花に移り変わるようで安らぎを覚えた。
傍らの付けっぱなしのテレビにペルーのクスコの町並みが写っていた。4000メートル近い標高の所為か、車はあまり走っていない。曇っているようで、南米特有の日差しは無く、コロニアル風の町並みがしっとりと落ち着いている。時代に取り残された街にラテン系の女の子が一際美しい。何故かこの風景は子供の頃眺めた事が有るような気がする。私の郷里に油津という古い港町が有り、その昭和20年代の風景が似ていたからかもしれない。
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