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2007年3月14日 (水)

イーゼル 2006年3月16日

注文絵の仕上げに入っている。絵は仕上げている時が一番楽しい。しかし、基本の図形を構成している頃は悩み多く辛かった。
私の仕事場は狭く、30号の絵を描くのは大変である。仕事に入る前にイーゼルが持ち込めるように部屋を片付ける作業があるし、終えると再び片付けなければならない。

イーゼルはデッサン用を使っている。日曜画家が使う三脚方式を頑丈に作ったものだ。多分、プロの絵描きでこのような粗末なイーゼルを使っている者は殆どいないと思う。このイーゼルにこだわっている理由は軽く持ち運び出来ることと、いざとなれば、足元の空間に頭を突っ込んで寝る事が出来るからだ。

筆洗いは漬け物ダルを代用している。絵描きに転向した20年前に買ったポリ製のタッパウエアだ。その頃は2階で絵を描いていたので、水を満たし蓋で密封して持ち上げた。かなり汚れてしまったが、まだしっかりしていて暫くは使えそうだ。

少し贅沢な道具はパレットかもしれない。厚さ5ミリ、50センチ角の純白のフッ素樹脂で、化学プラント材の問屋で3万円で買った。フッ素樹脂はどのような絵の具もくっつかない。私が使っているアクリル絵の具は、殊に速乾性で固着力が強いので、普通のパレットは使えない。しかし、フッ素樹脂だと、固まっても面白いように簡単に剥げる。

筆皿の中には彫金用の金槌のオタフク鎚がある。長い期間、私の生活を支えてくれた大切な道具だ。オタフク鎚の打面はタガネを長期間たたき続けたので丸く窪んでいる。仕事に行き詰まった時、私はその鎚を手にする。樫の柄は掌にあわせて窪んでいて、握ると暖かさが伝わり心地良い。そうしてると不思議と心落ち着く。
同様に、粗末なイーゼルも筆洗いも、労苦を共にした愛着がある。

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