ふいに聞こえた「風の盆恋歌」2006年4月22日
土曜のせいか車が少なく静かな散歩である。信号待ちしていると、私と同年輩の男性運転の乗用車が傍らの車道に止まった。開いている窓からは石川さゆりの「風の盆恋歌」が聞こえる。30年程前の流行歌である。乗用車が行った後、車椅子を押しながらとても懐かしくなった。もしかすると演歌に感じる懐かしさは、子供の頃聞かされた子守唄と同じものが根底にあるからかもしれない。昔の子守唄には石川さゆりのような華麗なこぶしがないだけで、低く静かに語りかける旋律はとても似ている。
我々の世代は母親や兄姉の背中におんぶされて育った。だから、子守唄の記憶は母の肩越しの風景に繋がる。私は今も母の肩越しに眺めた郷里日南の細田川河口と右手の城山の風景が記憶にある。それは少し霧がかかったようにかすむ薄墨色の静かな風景である。この日本人の殆どが体験した母親の肩越しの風景の記憶は、今の日本文化に大きな影響を与えているかもしれない。とすると、西欧のように母親の胸元にだかれて子守唄を聞かされる今の子供の世代は日本文化を大きく変化させるかもしれない。
原油価格が1バーレル75ドルを突破した。75ドルは去年予想していたが、到達にはもう少し時間がかかると思っていた。激しい投機筋の動きが、高騰時期を前倒ししてしまったようだ。しかし、これ以上の高止まりはない。75ドルを突破する事で代替えエネルギーのエターノール等への転換。コスト高だったオイルサンド等からの原油生産、石炭の液化、自然エネルギーの活用等が進行するからである。一説によるとオイルサンドの石油換算量は中東を上回ると言われている。地球温暖化のことを思うと、化石エネルギー大量消費是正に繋がる高騰は良い事と思っている。
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