人生は別れと出会いの繰り返し。2006年4月26日
昨日、Yさんちのモモちゃんが死んだ。享年19歳。ネコとしては長命である。
夜、花を持ってYさん宅を見舞うと、モモちゃんはタオルにくるまれ、幸せそうに眠っていた。
昔、我が家の庭はネコの死に場所で、私は幾度となくネコの死に立ち会った。ネコは野生に近い所為か、救いを求める事もなく淡々と死を受け入れる。モモちゃんも同じで、死ぬ前、見えない目でふらつきながら外を歩いている姿をよく見かけた。彼もまた死に場所を探していたのだろう。ささやかな通夜の席で、私はYさん夫妻とそんなことや元気だった頃の思い出を話し、深夜帰宅した。
今朝、母を通所リハビリに行く前にYさん宅に連れて行った。
「よく頑張ったね、もう少ししたら会いに行くからね。」と母はモモちゃんの頭を撫でていた。私はふいに人生は別れと出会いの繰り返しだと思った。
新河岸川の遊歩道で母と送迎車を待ちながら、
「すっかり小さくなっていたね。」と母はモモちゃんのことを話した。頭や顔は元気な頃のようにふさふさの毛のままだが、体は風で吹き飛ばされそうなくらい軽くなっていた。見上げると、寒冷前線の暗い雲の間に青空が見えた。一瞬、青空をモモちゃんの魂が風になって飛んで行くような気がした。
母を施設へ送り出した後、部屋へ戻り、三木露風の「赤とんぼ」を聴いた。
モモちゃんが弱り始めた頃に母はガンで倒れた。命のデットヒートではモモちゃんが先になったが次は母の番である。寂しい事だが、その時が来たら淡々と受け入れるつもりだ。
5時過ぎ、施設から母が帰宅して間もなく、Yさんが遺骨とお返しのスイカを持って訪ねて来た。母は小さな骨壺を抱かせてもらい、「帰って来て良かったね」と話しかけていた。スイカは切り分けて神棚と仏壇に上げ、残りは夕食後食べた。夏の香りと甘い果汁が口一杯に広がり、美味しかった。
遅くなったが、昔Yさんの注文で描いたモモちゃんの絵をホームページに掲載した。
モモちゃんの絵は昨夜持ち帰り、子猫のように可愛く描き変えて昨夜のうちに納品した。掲載した絵は古い方である。その内、描き変えた絵に差し替える予定。
他に先日納品した絵2点も掲載した。心からモモちゃんの冥福を祈る。
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