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2007年3月21日 (水)

食べ物が美味しい限り、人は絶対に死なない。2006年5月12日

今日母は見違える程元気になった。自然公園へ連れて行くと、今年3月水準の距離を歩いた。昨日の腰痛の神経ブロックはうまくいったようだ。腰痛が軽減したのが心理的に影響して体調も良くなったようだ。

帰りに赤羽駅近くのケアマネージャーの所属薬局へ寄って新しい車椅子を受け取った。タイヤがすり減った古い車椅子は去年10月に取り替えたものだ。薬局横の駐車場でバックミラーと安全ベルトを付け替えると、母は「新しいのは乗り心地が良いね。」と喜んでいた。今の車椅子使用頻度から推測すると、後1年程は使用出来そうだ。これが最後の車椅子にならないように願っている。

駅前に出ると、母は金があるならコーヒーを飲ませろと言った。色々要求するのは元気になった証拠。高架下のスターバックでカプチーノを頼み、シナモンとナツメグをたっぷりかけると母は喜んで飲んでいた。スターバックは私が銀行へ行く時、母を待たせるのに使っている。このように母とコーヒーを飲むのは始めてである。
飲み終わって、カップ底のシナモンが混ざった砂糖が美味い。母は使い捨てのプラスチック匙をティッシュで拭いてポケットへしまった。台所の引き出しには、そのように持ち替えった匙が大量にある。母の世代は物が捨てられない。

八百八でイチゴとグレープフルーツを買い、昼食用に、ちょっと贅沢して丸ますでウナギを買った。
帰り道、床屋さんのラッキーに母が声をかけるといつものように尻尾を振りながら吠えた。彼もすっかり年を取り、最近は少々惚け気味である。「元気だよ。って吠えているのね。良かった良かった。」と母は喜んだ。老いた同士、通じるものがあるようだ。

緑道公園で休みお茶を飲んだ。緑が美しく静かで心地良い。つい先日まで桜が咲いていたことが夢のようである。
以前、公園出口に保健所があった。今は取り壊されて東京北社会保険病院の職員や医師のためのアパートが建っている。潤沢な公費で建設された立派な作りで、立体駐車場まである。1階は単身者用で内数軒は道路の下にあり、部屋の奥までよく見える。その所為かその部屋は埋まっていない。私なら道路の通行人を眺められて楽しそうで、喜んで入居するのだか。

母は食欲も回復して、美味しそうにウナギを食べた。食べ物が美味しい限り、人は絶対に死なない。明日になれば、母の体調が再び悪化するかもしれないが、ともかく今日元気だった事を喜ぶことにした。

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