母はその家を祖母と父の墓だと手を合わせる。2006年5月31日
明日は父の命日。例年、母は私に言われるまで父の命日を忘れているのに、今年は珍しく覚えていた。母は、父だけでなく死んだ他の身内の事をよく話すようになった。母自身、死を身近に感じ始めたからかもしれない。
父が死んだ旧宅は取り壊され、今は白い瀟酒な家が立っている。その場所は緑道公園の陸橋から遠く木立の中に見える。旧宅では祖母も死んだ。だから母は、その家を祖母と父の墓だと言って、陸橋の上から手を合わせる。その事を、今の住人が知ったら気を悪くしそうだ。
陸橋手前は小学校裏の斜面で自然木が生い茂っている。斜面の緑道公園に近い箇所は日当りが良く、今は黄色い木いちごが沢山実っている。その木いちごは形も大きく、豊潤でとても甘い。近くに琵琶の木もあり、今は青い実をつけている。この琵琶は熟しても白っぽい。去年、台風の後、落ちているのを拾って食べてみたら、濃厚でとても美味かった。
他にグミの木もあり、これも甘い。緑道公園の自然公園に近い場所には棗の木が2本ある。夏の頃、褐色に熟したリンゴのような甘い実をつける。ヤマモモもあるが、こちらはどれも酸っぱい。
今年、自然公園の桑の実の殆どはカビに感染して白く変色した。しかし、残った健康な実は去年より美味い。毎日の散歩の時、自然の木の実を摘んでは母に食べさせる。母は自然の木の実を食べると元気が沸き上がると言う。確かに、私もそのような気がする。
今日は日差しが強く、古民家の土間は涼しくて気持ち良かった。この家へ来ると、自分の家へ戻ったようで安らぐ。係員と話しながら少し休み、帰りは駅前へ回り、介護保険の事でケアマネージャーを訪ねた。今回、区は母を介護の必要も車椅子も必要なしの要支援2と査定した。それで、私は不服申し立てをすると伝えた。北区はこのトラブルが群を抜いて多いようだ。
帰り、イトーヨーカ堂で毛玉取り器を買った。母の少ない手持ちズボンをこれで綺麗にしようと思う。年を取ると、着られない服やズボンが増える。そのような理由で老人は着やすい服ばかり着て、着た切りスズメになりがちである。
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