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2007年3月21日 (水)

老人はプライドが傷つき、やがて惚けの中へ逃避する。2006年5月9日

昨日、母は朝から口も効けない程、疲労困憊していた。いつもなら、母はポータブルトイレの始末を自分でするのだが、そのままである。私が始末していると、母はベットから寂しそうに私を見ていた。老人はそのようにプライドが傷つき、やがて現実から惚けの中へ逃避しようとする。これは難しい問題だ。

母は生協浮間診療所の医師に往診を頼んでくれと頼んだ。私もそのつもりで、診療所が開く時間を待っていた。しかし、母はすぐに電話しろと言う。今すぐはダメだと言うが聞かない。あげくの果てに「そんな意地悪言うなら、死んだら化けて出るから。」と怒っている。私は「どうぞどうぞ出てくれ。」と答えながら、ちょっと安堵した。母から憎まれ口が出るのは元気が残っている証拠である。

診療所に電話をして事情を話すと、30分もしないうちに担当医師と看護婦さんがやって来た。母は待っていましたとばかり、詳細に体の具合を話していた。医師はしばらく診察して、採血して帰った。
医師が帰ると母は元気がなくなった。本当に辛いようだ。母はテレビ好きで起きている間中テレビは点けているのに、消したまま暗い顔で寝ている。このまま一気に弱って行きそうな気配で不安になった。

午後、漢方系のカフェイン無しのドリンク剤とニンニク卵黄のカプセルを買って来た。ドリンク剤は安売りの1本600円の品である。しかし、母には3000円のよく効く高貴薬だと、ニンニク卵黄と一緒に飲ませた。
母は暗示にかかりやすい。小一時間で母は起き上がりテレビを点けた。私はホッとしたが、すぐに激しい眠気を覚えた。このところ殆ど寝ていない。結局、仕事は殆どせず、昨夜は12時に寝て朝まで熟睡する事が出来た。

今日は母は元気を取り戻し、散歩に出る事ができた。帰宅するとすぐに診療所の医師から電話があった。「悪い数値の箇所はありますが、基本的な箇所は総て正常の範囲内で、何も治療の必要はありません。」医師も安堵したような声だった。私は嬉しくて、すぐに母に伝えた。母は納得しながらも、体の不調が残っているのも事実で複雑な表情だった。

母の今の体力は3月頃と比べ半分程である。回復したとしても元には戻ることはない。しかし、私はそれでもとても有り難い。これで仕事に集中でき、生活を立て直せそうだ。

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