ヨシキリの声を聞くと、素直に頑張りたくなる。2006年6月4日
昨夜、玄関を開けて夜景を見た。下の遊歩道を散策する男女の足音と話し声。川向こうの都営団地で騒いでいる子供達。浮間橋を疾走する救急車。様々な地上の物音が明瞭に聞こえた。
右手、新河岸川を跨ぐ埼京線と東北上越新幹線の高架は蛇行して荒川を渡り大宮方面に続く。その高架線を列車の光の帯が絶え間なく行き来する。それらの地表の光のうごめきを眺めていると、街は巨大な生き物のようだ。そして、自分はその生き物の体内を流れる血小板の一個なのかもしれない。そう考えると、不思議な安らぎを覚えた。
最近、繰り返し思い出すシーンがある。
2年前の初夏、自然公園でにわか雨に遭い管理棟の軒下で母と雨宿りをした。雨は断続的で、時折、雲間に明るい青空が見えた。
「久しぶりに良いお湿りね。」母は目を細めて雨を眺めていた。公園の椎の木、桜、コナラ、アカツメクサに様々の草木は雨に濡れ生き生きとしていた。母は、その少し前に手術半年後の検診があり、肝臓ガンの再発はなく安堵していた。その時ほど、心の底から生きている素晴らしさを感じたことはない。そして、そのイメージをHP掲載f-140の絵に描いた。
http://homepage2.nifty.com/m4s/jf140.html
今は辛い事が多いが、それでも生きていれば色々な感動がある。
このところ毎日、自然公園のアシの中でヨシキリが賑やかに鳴いている。スズメよりやや大きい小鳥なのに、とても元気のいい声である。図鑑には、ジョッピリリ ジョッピリリ ギョギョキリリ ギョギョキリリ タッタッと鳴く、と書いてある。小さな体で生存競争を生き抜き、逞しく生を謳歌している姿には感動する。この声を聞くと素直に頑張りたくなるから不思議だ。
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