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2007年3月25日 (日)

夏日射しの中、精霊トンボが母の帽子にとまった。 2006年7月16日

今日も散歩に出た。曇天で小さな雨が舞っているが、雨具を漬ける程の事はない。昨日より気温は低いが、私は湿度に弱いので気持ちが悪い。時折、日射しが戻ると湿った地面から濃厚な湿気が立ちこめ一層不快感が増した。

古民家で休んでいると、小母さんの一団がやって来て、にぎやかにお喋りを始めた。話題はワニガメである。話題の中で、一人が話し始めた。
「そう言えば昨日、大きなカメが道を歩いていたよ。何て名だったけ、あの緑ガメの大きくなったやつだけど・・・」聞いていた母が「あのカメのことらしいね」と小声で言った。内容から、どうやら私が助けた赤耳ガメのことのようだ。

公園からの帰り道、「カメを助けてやって良かったね。乙姫様がお礼に訪ねて来てくれるかもしれないよ。」と母が言った。乙姫様は良い女だけど、どう見てもお嬢様で家の事は何もしそうにない。「これ以上、料理を作ってやったり、洗濯したりするのは厭だな。」と私は答えた。「それなら、乙姫様の腰元が良いね。」と母が言った。私も腰元なら楽させてくれそうなので良いと思った。しかし、鯛や蛸の腰元だったら、鱗やイボが気持ち悪い。それなら手がかかっても乙姫様の方が良いと思った。

桜並木辺りにささしかかった時日射しが照りつけた。
日射しの中、精霊トンボが母の帽子にとまった。オレンジ色がかった地味なトンボで、正式な名称は知らない。郷里の南九州ではお盆の頃、大発生するのでそれに乗って精霊がやってくる、と言われていた。
精霊トンボがとまっていることを教えると、母は帽子を動かさないようにした。それでも車椅子は揺れる。しかし、精霊トンボは逃げなかった。環八の信号を渡り、住まいのエレベーターに乗っても逃げなかったが、エレベーターのドアが開くと明るい空へ向かって飛び去って行った。
「誰が乗って来たのかな。甚平さんがどんな家に住んでいるか見に来たのかもしれないね。」母は大好きだった曾祖父のことを話した。

今日はお盆の送り火。夕刻、盆提灯をしまいながら死んだ人達のことを思い出した。そして、あの精霊トンボは十万億土へ帰る祖先達を迎えに来たのかもしれない、と思った。

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