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2007年3月26日 (月)

玄関から夕暮れの地上が見え、新幹線が過ぎて行った。2006年7月27日

今日は久しぶりの好天で、今年始めて蝉の声を聞いた。強い日射しの照りつける舗道から熱気が沸き上がりまるで湯船の中を進む心地だ。涼しい日が続いていたので、突然の暑さに馴染めない。

それでも母は自然公園で元気に歩いてくれた。しかし、午後になると腹の不調を訴えた。すぐにベットに寝させたが不快感は治まらず、口をきくのも辛いようだ。とりあえず胃腸薬を飲ませた。横になっている母を観察すると腹部が大きく膨らんでいる。試しに胃の辺りを押さえると掌にグルグルと蠕動を感じた。ガスが停留しているのかもしれない。それなら大過ないので、私は仕事部屋へ戻った。暫くして「少し楽になった」と母から内線電話があった。だが、食欲は回復しない。それで夕食はヨーグルトとアイスクリームだけにした。

今回の不調は一晩寝れば治まりそうだ。しかし、これから突然の不調が増えるかもしれない。老人の1年の変化は我々の4,5年に相当する。しかも悪い方への変化ばかりである。母に何があってもうろたえないように自分に言い聞かせた。

暑いので玄関ドアは1日中開け放ったままにしてある。長方形に区切られた空間に夕暮れの地上が見える。時折新幹線が行き交い、地表の物音がすぐ傍に明瞭に聞こえる。暫く風景を眺めていると、突然、母が逝った後、一人でそのように佇んでいる自分の姿が思い浮かんだ。
その時、喪失感と開放感のどちらが勝っているのか。私は開放感であってほしいと願っているが、難しいかもしれない。

先程、母の様子を見に行った。いつものことだが、ピクリともせず死んだように眠っている。2,3分見ていると、肩の辺りが少し動いたので部屋に戻り、私も寝ることにした。

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