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2007年3月28日 (水)

中年は遠く実れる夜の桃-西東三鬼 2006年8月24日

自然公園は閑散としていて、歩道の真ん中で青トカゲがのんびりしていた。古民家の垣根傍の砂地ではスズメたちが砂浴びをしていた。大勢のスズメたちがおなじ場所で砂浴びするので、小さなお椀のように窪んでいるのが可愛い。

池にかかる橋で、30代男性二人が水中を覗き込みながら、子供の頃のザリガニ釣りの思い出を話していた。すれ違う時、Tシャツ袖から彫りものがちらりと見えた。流行のタトゥーではない。伝統的な彫りものである。近くで見ると雰囲気もその筋らしく見えた。

彫り物のことを母に話すと、懐かしそうに久留米で暮らしていた子供の頃の話を始めた。
母が小さい頃、周辺の男達は一様に立派な彫り物をしていた。しかし、養父の健太郎は別で、片腕に桃を一個入れているだけだった。健太郎はそれが恥ずかしくて、そのことに触れられるのが厭だった。しかし、5,6歳の母は「父しゃん。梅干し入れとっと。」と、養父をからかった。「違う違う。桃だ。」と健太郎が恥ずかしそうに腕を隠すのが、母は楽しかった。それは母が好きな話で、昔から何度も聞かされ来た。

いつものように椎の木陰で休んだ。隣のグラウンドでは若者達がサッカーの練習をしていた。遠く、先程の二人連れが木陰に腰を下ろし練習を眺めているのが見えた。汗を流す若者達と、やくざもの二人。似合わない取り合わせだと思った。人生への疲労感を滲ませた二人連れを眺めていると、ふいに西東三鬼の句が頭に浮かんだ。

中年は遠く実れる夜の桃  


今日も湿気が多く蒸し暑いが、体が暑さに慣れて来てさほど汗をかかなくなった。
仕事は進展しそうにないが何となく対策へのアイデアが浮かんだ。目標が決まれば走り出しやすい。具体的なものは何もなくても気分が楽になった。

定期の仕事で、松下電器松下翁の理念を主題にした企業家向けの雑誌の挿絵を抱えている。担当する文はユダヤ人商法で、毎回、良いことが書いてある。今回は特に今の私にピツタリで勇気づけられた。

仕事の売り込みは押し時と引き時を理詰めで考えることが大切だ。一回失敗しても、間を置いて再挑戦すると成功したりする。そのような内容だった。困った時は人の言葉に耳を傾けると案外上手く行くものだ。

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