劣悪な医療環境の私達以降の世代は、母程は生きられない。2006年8月25日
早朝、母に起こされた。九州の私の兄へ電話をしたが通じない、と言う。電話番号を確認したが誤りはない。改めて私がかけてみると、すぐに通じた。早く起こされる慢性寝不足の身には辛い。すぐに床へ戻り、二度寝出来ないまま横になって朝刊を読んだ。
兄は博多都心で小さな青果店をしている。仕入れで朝が早いので、早朝なら電話が通じる。最近、母は電話のかけ間違いが多い。買い替えた電話機の子機のプッシュボタンが押しにくいのが原因だ。
母が兄と話している声がとぎれとぎれに聞こえた。
「・・・花が届いたの。繁からのお祝いだと思って、有り難く貰っておいた・・・」
繁とは長兄の名である。内容は、昨日、長兄の娘から誕生祝いの花が届いたことだった。長兄は43歳の厄年に急逝した。未亡人の兄嫁も去年肺ガンで死んだ。
その姪とは長く会っていない。彼女が花を贈ったのは、両親を亡くして、人生へ思うことがあったのかもしれない。花は直ぐに仏壇に飾って置いた。
今は亡き兄夫婦のことを思い出している内に、いつの間にか寝入っていたが、激しい雨音で目覚めた。雨は10分程で通り過ぎて行った。ベランダから外を見ると、黒雲の向こうから薄日が差して、濡れた環状八号線の路面が光っていた。直ぐデジカメを持って来て数枚撮った。画像は写真日記に掲載した。☆写真日記 http://homepage2.nifty.com/m4s/jmx.html
母はお隣からもお祝いのケーキを貰った。
今朝、母は朝食代わりにモンブランを食べていた。私はショートケーキを食べた。最近、甘いものを控えているので美味しい。
朝食後、母はヘルパーに連れられてペインクリニックへ出かけた。静かになった部屋でテレビを見ていると再々度寝入ってしまった。
大病を次々と病んだ母が、93歳まで生きるとは、夢にも思わなかった。母の長命は手厚い医療保険制度によって守られた側面が大きい。
母に比べて、老後に過酷な医療環境に曝される私以降の世代は、到底母程は生きられない。かと言って、座して老いを迎えることは出来ないので、せっせと体の維持管理に励んでいる。自然公園でリハビリに励む老人達に会って感じたのは、母の病も含めて、ほとんどの病は食生活と運動で防げる。だが、それは大変難しいことのようだ。
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