働き盛りは、病気を何とか伏せようとする。2006年9月6日
目の前のパソコンの上をハエ取りグモがパトロールしている。このクモは室内の害虫を捕まえてくれる可愛い虫である。
クモを忌み嫌わないのは南国育ちだからだと思う。南九州では金コブと呼ばれているコガネグモを喧嘩グモとして大抵の家で飼っていた。棒の上で対決させ、逃げ出した方が負けである。
男は子供も大人も金コブに夢中になっていた。だから、東京に滅多にいない黄と黒の横縞の金コブを見つけると、今でも胸が躍る。
若い頃から世話になっていた、Mさんがガン末期で危なくなった。病院は指扇にあり、我が家からは交通の便が悪く、簡単には行けない。その前の施設でガンが判明して転院し、それから2度見舞った。一度目は会話が出来たが、二度目は認知症が進行して無理であった。助からないのなら、現実は認識しない方が本人には幸せである。
死へ至る経緯で、周囲が死を意識するのは意思が通じなくなった時である。その緩衝帯があるので、周囲は静かに死を受け入れることができるのかもしれない。
若い頃、友達との話題に死は殆ど登場しなかったが、今はそればかりである。親や知人の病気や死の話題はあまりに多過ぎて、今では深刻な話題ではない。それは人生の終末期への通過儀礼のようなものだ。
病院は人生の縮図である。
先日の東京北社会保険病院で、トイレを使っている母を外で待っていると、人混みから離れた窓際で検査衣に着替えた熟年男性が携帯をかけていた。多分、仕事の合間に検査に訪れたのだろう。検査衣下の革靴と靴下が不自然であった。彼は中間管理職のようで、仕事の手順を部下にテキパキと指示していた。ただ、病院から電話していることは伏せているようで、無理に明るく元気に話している声が却って寂しく聞こえた。
病気の時、気楽に病院にかかれる人は幸せである。働き盛りの者は、病気を何とか伏せようとする。私も同様で、絶対に病気にはなれない。先日の朝、起き抜けに空腹時血糖値を計ると81mg/dlであった。この数値は低すぎるくらいであるが、上の姉が糖尿病なので素質はあるので安心はできない。
以前、体重が急増した時、一過性に血糖値が上がったことがある。以来神経質にカロリー摂取量と運動に励み、一病息災、なんとか健康を維持している。
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