赤とんぼは手摺がお気に入りで、いつも4,5匹がとまっている。 2006年10月15日
母は少し元気を取り戻した。おかげで今日の散歩は気分が良い。
「涼しくて、爽やかな日ですね。」すれ違う老人たちが挨拶して過ぎる。枯れ葉に覆われた道を、ボランティアの老人達や養護施設の子供たちが毎朝掃除しているが、翌朝には枯れ葉に覆われている。私も母も枯れ葉の道が好きである。この冷たい大気は懐かしくて心地良い。
赤羽自然観察公園には赤とんぼが舞っていた。湿地傍の明るい道の手摺が彼らのお気に入りで、いつも4,5匹がとまっている。
「潰しちゃうから、どきなさい。」と、リハビリで手摺伝いに歩く母が手で追うが、少しも怖がらず母の帽子に止まったりする。
そんな母の帽子が変である。前のツバが短くて、後ろのツバがいやに長い。車椅子に座らせて、前後が逆だと言ったが「被る時、ちゃんと内側のマークを確認したから間違いない。」と頑固に言い張る。更におかしいと言うと、母は帽子を取って「ほら、ちゃんとマークを見なさい。」と言いかけて照れ笑いした。やはり前後が逆であった。元気が無い時の母は素直で頑固ではない。だからこんな馬鹿馬鹿しいやり取りでホッとした。
先日踏みつけられた栗の木の根元のホトトギスが咲いた。真上から見ると藤色の星のように美しい。栗採りの人達がこの花を見ていたら、来年は足元を気をつけるのだが、彼らは収穫の無い時期は公園へ来ない。
今年の椎の実は不作の年で、今日はすでに1個も落ちていない。鳩がウロウロしているので少ない実を食べてしまったのだろう。去年も鳩たちがついばんでいたが、椎の実は多過ぎてすぐに食べ飽き、近づかなくなった。
帰り、緑道公園と通りの交差点で、昨日会ったKさんの奥さんがタクシーが捕まらず困っていた。そこはシグナル脇で、タクシーは止まらない。それを見かねた通りがかりの老人と一緒に、離れた場所へ行ってタクシーを捕まえた。
奥さんはこれから東京北社会保険病院へタクシーでKさんを連れて行くと言う。日曜日に病院とは、余程病状が急変したようだ。私たちの会話を聞いていた老人と母が「お気の毒に」としきりに同情していた。昨日の様子では黄疸が強く、かなり辛そうに見えた。回復してまた会えることを願っている。平穏無事の有り難さを噛み締めながら車椅子を押した。
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