心を打つ、カモメの群れとアメリカ国歌。2006年11月17日
昨日は母に食事代わりに乳酸飲料を飲ませた。更に就寝前に、朝鮮人参粉末を水溶きして飲ませた。その効果があったのか、今朝は元気になって僅かだがおかゆを食べてくれた。しかし、その元気は一瞬で終わり、病院へ連れ出す頃は再び疲労を訴えていた。
今日の点滴は2種類に増えた。その間に私は医師に呼ばれた。昨日の血液検査の結果が思わしくなく、貧血もあるようだ。「出血箇所を見つける為に、検査入院されませんか。」と医師は話した。入院期間を聞くと、長くなるかもしれないと医師は答えた。危惧していたことが現実になり、私は気落ちしてしまった。
入院は王子にある医療生協王子病院である。検査入院のことを点滴を受けている母に話すと表情が暗くなった。母は気丈で、今までの20回近い入院や手術に積極的に応じて来た。しかし、今回の入院は今までとは違うことが直感で分かったようだ。
「本当は厭だけど、食欲不振や、疲労感がとれるのなら、入院しても良いね。」母は自分に言い聞かせるように答えた。
点滴は2時間近く続き、母は疲れてしまった。外は曇っていて肌寒い。母を冷やさないように急いで帰宅して、昼食を用意した。しかし、母は殆どを食べ残した。仕方がなく、食事代わりに乳酸飲料を飲ませた。
午後、母が寝ている間に、赤羽駅前まで買い物へ出た。
途中、桜並木にあるコトブキ調剤薬局に薬剤師さんたちが見えた。店は明るくて感じが良く、母も私も親しんで来たが、今月一杯で閉鎖される。
今年に入ってから、親しい人やペットたちの訃報や別ればかりで、母は精神的に参っている。だから、閉店のことは話してない。
イトーヨーカ堂でサプリメントを買った。帰りは疲れたので埼京線を使った。
北赤羽駅から浮間橋を渡り、新河岸川沿いの遊歩道を行くと少年がカモメに餌をやっていた。私も立ち止まり、カモメの群れを眺めた。すると不意に、寂しさがこみ上げ、アメリカ国歌を口をついて出た。私は勇気を奮い立たせたかったのかもしれない。アメリカ国歌を口ずさむと、今の難しい状況と戦えるような気がしてきた。
帰宅して、ベットの母に
「日曜辺り、自然公園まで行ってみようか。」と話すと、母は嬉しそうに頷いた。
今日、始めて母の笑顔を見た気がした。
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