誤嚥性の肺炎。2006年12月15日
毎晩のように母は激しく咳き込む。唾液を誤嚥して気管に入れる所為だ。時には息が止まる事もありブザーを鳴らす。この音にはいつもドキッとさせられる。
誤嚥が唾液なら苦しいだけでそれで気管が塞がる事は無い。しかし、唾液が感染源になって肺炎を起こす事が多いので、予防措置として母に肺炎球菌ワクチンを接種してある。このワクチンの効力は長く、母の場合は死ぬまで続く。
ワクチンの情報は教育テレビの健康番組で知った。この番組は老人介護する者には大変役立つ。NHK無用論を言っている人は多いが、教育放送やドキュメンタリーに関しては民放にはない層の厚みを感じる。
先日は「プレミアム10・山本耕史とたどるモーツァルトへの旅」を見ていた。これは見応えがあった。モーツアルトの伝記を見ていつも思うのは、この天才の才能が理解出来ず、馬鹿にして評価しなかった者達のことだ。歌手のアロイジア・ヴェーバー、権力者のマリア・テレジアやザルツブルク大司教と、彼らは芸術感覚の貧困さで、後世に恥を残した。
赤羽自然観察公園の帰りに銀行へ行った。
母は赤羽駅高架下のドトールの外テーブルに待たせておいた。温かい部屋の中の方が安心だけど、母は通路を通る人を眺めているのが好きだ。今はだめだが、温かい頃だと、色々な人と相席になったりして楽しいようだ。
銀行は大混雑していた。待ち時間に、今描いている絵の下描きを始めたら、すぐに私の番が来た。最近は窓口を利用する人が減ったので待ち時間は短い。
20分で引き返すと、母はアメリカンコーヒーを二口程飲んだだけだった。以前はコーヒー中毒と言ってもいいくらい好きだったのに、最近はちょっと口をつけただけで止めてしまう。
高架下を抜けて、床屋さんから緑道公園へ向かう。途中に、今年1月に急死した黒須医院の前を通る。母は必ず手を合わせる。そしてその後に「先生の名前は何だったけ。」と名前を思い出そうとする。「大きなクジラ。」と私がヒントを出しても思い出せない。「白長須クジラ。」と分かりやすく言うとやっと思い出す。私たちはこのやり取りを毎回繰り返している。
日溜まりの緑道公園のベンチで一休みした。
この公園に入ると静かでホッとする。日射しが体の芯まで暖めてくれて、温泉に入っているように気持ち良い。先日、明石家さんまが番組で、風邪を引いたら太陽に当たって治すと話していたが、正しいかもしれない。
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