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2007年4月 4日 (水)

人の生き死の仕組みはシンプルである。2006年12月9日

5度程に下がった雨の中、散歩へ出た。朝から母は気が重く出渋っていたが、冷たい外気に晒されると気持ちがしっかりして来た。私は都会は雨の日が一番美しいと思っている。殊に今の季節の寒い雨は素晴らしい。濡れた紅葉の鮮やかさは例えようがない。

緑道公園は毎朝、シルバーボランティアが枯れ葉を掃除しているが、今日は休みだった。車椅子は枯れ葉の上を進んだ。色鮮やかな枯れ葉が車輪のクッションになり、母は乗り心地が柔らかいと喜んでいた。それはとても贅沢な散歩であった。

赤羽自然観察公園には誰もいなかった。林間に聞こえる水音を聞いていると、深山にいる気分になる。このような日は母の小用の出が良い。管理棟のトイレで母は腹の中が空っぽになったと喜んでいた。
古民家には門松が建っていた。
「篠崎さん達が、今日始めてのお客さんです。」と古民家の係が話した。竃では、先日藁草履作り講習会で残った藁を燃していて、炎が温かく土間を照らしていた。
母はダウンのコートの上に湯たんぽを抱え毛布で覆い、更に防水ポンチョを被っているので寒くはない。だがそれ以上に、古民家の雰囲気は母の気持ちを温かくさせる。

母は見かけは穏やかな日々が続いている。
しかし、昨深夜は、激しく咳き込む音で駆けつけた。母の背中をさすりながら収まるのを待つと、落ち着いた母は、息が暫く出来なかったと言った。唾液を気管に誤嚥したようだ。先日、死にかけて緊急入院した時は、脱水症であった。老人は我々なら何でもないことで大事に至る。
先程も、再度ベットへ行き母の息を確かめた。

母の食事の量が増えた事は朗報である。どのように優れた方法でも点滴では命は保てない。口から摂る食事は確実にエネルギーになり、以前、訴えていた脱力感は軽くなった。人の生き死の仕組みは実にシンプルである。それを複雑にしたのは人の心かもしれない。

Ma_3

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