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2007年4月 8日 (日)

寒い雨の中、母を散歩へ連れて行った。2007年1月6日

母は雨具の下に毛布を巻き、湯たんぽを抱いているので炬燵に入っているように暖かい。私も上下の雨具を付けているので寒くはない。むしろ、フードに当たる雨音が心地良い。

自然公園には人影はなかった。いつもはうるさくつきまとう鳩たちの姿もない。
氷雨に濡れた冬枯れの風景は心安らぐ。このような冬の風景を見る都度、私のルーツは北方系なのではと思う。母も私も日焼けせず赤くなって痛む。姉と兄は黒くなる方なので、南方系が強いのかもしれない。

少年時代から私は北方指向が強く、南国で北方の雰囲気が味わいたくて登山に熱中した。上京してからの旅先は総て北国だった。振り返ると、南へ行ったのは郷里の日南や法事で博多を訪ねただけで、遊び目的で南へ行った記憶はない。
沖縄やハワイを旅先に選ぶ人が多いが、私にその選択はこれから先も皆無だ。近年、日焼けに弱くなった事も大きな原因である。暑い国で長袖で過ごすのは本当に辛い。

雨が強く、公園での母の歩行は止めた。管理棟のトイレを使わせると小用が多く出たと、母は喜んでいた。
古民家には係のTさんが竃の火の番をしながら時間を持て余していた。聞くと、私たちが今日始めての客であった。朝より更に冷えていたが、土間をほの赤く照らす竃の火が暖かかった。
休憩の間、Tさんとはいつも世間話をする。今日の話題は例の兄妹のバラバラ事件だった。この極めて裕福な歯科医一族に起きた惨劇は、世間に重い示唆を与えたようだ。貧しくとも仲の良い家族は、改めて幸せを思い返していることだろう。
人の幸不幸のプラスマイナスは合わせると皆同じで、得るものが多い人は失うものも大きい。逆に、失うことの多くても、最後に大きな幸せを得れば良いのだが。

帰りは生協に寄り、七草がゆのセットを買った。早いもので、明日は七草がゆを食べる。
その後、桐ヶ丘を抜けた。大木の多い薄暗い公園に灯りが幾つも灯り、濡れた路面に美しく映っていた。母は今日のような雨の日に、公園の灯りを見るのが好きだ。老人は夕暮れに出かける事がないので、そのような薄暗い風景が珍しい。
母には大変なことが多い毎日だが、そのようなささやかなことを楽しめるのは幸せだ。

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