我が家から極寒の雲取山が見える。 2007年1月8日
昨日、友人のT君は雲取山へ出かけると言っていた。
我が家から見える昨日の山の様子は、かなりの積雪に覆われていた。おまけに、午後からは猛烈な風で、山は猛吹雪に違いない。心配になってT君の家に電話をすると、夫人が出て、彼は登山を諦めて仕事へ出たと言った。
「もう年だし、冬山は止めて欲しいわ。」と、彼女はとても心配していた。
それから、同居して介護している彼女の実母の話になった。大変さを愚痴る人ではないが、私も同じ立場なので、話しやすかったようだ。小一時間、介護の大変さを聞いている内に、母の夕食の時間が迫り電話を切った。
同年代の友人達の大半は老親を抱えていて、この話題になると会話は長くなる。
深夜に粗相の始末をしていると、どうしようもなく情けなくなるとT君の夫人は話していた。私にもその気持ちはよく分かる。昔、私たちの世話をしてくれた強い親が老いて弱って行くのを正視するのはとても辛い。しかも、その大変さの終わりには、大きな喪失感が待っている。
「私には母はたった一人の家族だから、逝ってしまつた後がとても辛いと思っている。しかし、夫や子供達のいる貴女は良いよ。」と話すと、
「とんでもない。夫や子供がいても、喪失感は同じよ。」と彼女は答えた。私を気遣って、そう言ったのだと思ったが、親の死の辛さに差はないのだろう。
今朝は風のない好天で暖かかった。
散歩前に洗濯をしたが、すすぎの水が少しも冷たくない。暖かい冬は楽ではあるが、何となく不安である。
緑道公園の歩道を母の車椅子を押しながら、私は何度も空を見上げた。
冬木立の梢が青空に映えて、田舎道を歩いているように思える。この澄み切った空を見上げていると、どのような心配事も消えてしまう。毎日、この安らぎの数時間があるから、今の大変さに耐えられるのだろう。
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