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2007年4月20日 (金)

解決出来ないことはない。2007年2月18日

冷たい雨。朝9時、東京マラソンの出発をテレビで見た。
雨に煙る都庁前の大通りを埋め尽くすランナー。号砲と共に紙吹雪が舞い、スモークが焚かれた。まるで、ブレードランナーの一場面のような不思議な近未来的な風景であった。

その後、母に雨具を被せて散歩に出た。母は湯たんぽを抱かせているので、火燵に入ったまま散歩しているように暖かいと喜んでいた。
自然公園に人影はなかった。母に運動をさせていると、古民家の係の武井さんが迎えに来た。今日は一人も来訪者がいないので寂しいと話した。母のトイレが済んだら伺います、と告げて園内を一周した。

古民家で待っていた武井さんと母を交えて暫く雑談した。
薄暗い土間は竃の火が暖かい。雨音が聞こえる静かな時間の流れが心地良い。テレビの音も、電灯もない風景は昔はごく普通だったのに、今は貴重になった。

帰る頃、雨は小降りになった。すでに、マラソンランナーの先頭が有明のゴールに着く頃である。
生協に寄って鳥レバーを買った。
桐ヶ丘団地を抜けると、公園の広場でボーイスカウト達が、雨の中で野外炊爨をしていた。樹間に張ったテントや雨よけの滑り台下のシートの上に寝転がる小さな子供たちがとても楽しそうだ。

金曜に買った子供用の小さな食器を母は使っている。
量が少なく見えるので、食べるのに抵抗が少ないようだ。母は大きな器に出すと、見ただけで食欲が失せると言う。肝臓の異常が食欲に影響しているのかもしれない。そのように、母は確実に少しずつ衰弱している。最近、私はそれに馴れて動揺しなくなった。

今日は、月刊誌のユダヤ人の人生哲学に挿絵を入れた。今回の4月号のテーマはトラブルである。ユダヤ人には何処にも安住の地はなく、常にトラブルに見舞われて来た。だから、彼らはトラブルを当たり前のものとして捉えている。そして、彼らは「解決出来ないトラブルはない」と考える。
解決を努力した結果と言い換えれば、その考えはとても納得出来る。努力の後に良い結果ばかり期待するから、挫折するのだろう。もし、真摯な努力の結果は総て良いものだと考えるなら、人生はとても気楽になりそうだ。

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