ヤマガラのおみくじ。2007年2月3日
すでに沈丁花が開花寸前だ。
会う人ごとに「暖かくて、春のようですね。」と言葉を交わす。冬木立の明るい木陰は目に心地良いが、既に杉花粉が舞い始めている。誰もが、このまま春になって良いのだろうかと異常気象への不安を口にしている。私も、早い春の後にやって来る長い猛暑が気になる。
しかし、老人は暖かさに助けられている。例年冬は、風邪をきっかけに弱ってしまう老人が多いが、今年は少ないようだ。母も極めて元気で、夏までは不安が小さい。
去年の2月に取り替えた車椅子は1年間使ってタイヤがすり減ってしまった。その時、母には最後の車椅子になると思っていたが、来週、新車に取り替える。これからは、新しい車椅子を何時まで使えるかなどと考えないことにする。
そう思うようになったのは、死に対する考えが変わってしまったからだ。今まで死は闇で何もない空虚さだと思っていた。しかし今は、死は光溢れる自然と一体のものと思っている。毎日の自然公園への散歩が、そのように考えを変えたのかもしれない。
今日の自然公園には、ヤマガラが来ていた。ヤマガラは器用に手摺の下にぶら下がり、丹念に越冬中の虫を探していた。ヤマガラは頭が良く、人が害しないことを知っていて、近づいても逃げない。
昔、お祭りの大道芸に「ヤマガラおみくじ」があった。ヤマガラは客から10円玉を受け取ると、くわえてミニチュアの神社の賽銭箱へ入れ、小さな鈴を鳴らして扉を器用に開け、中からおみくじを取り出し、金紙の封を器用に剥がして、客に渡していた。それはとても楽しい芸で、子供達は傍に陣取って客が来るのを待っていたが、客は少なかった。
私たちも、おみくじを試したかったが、当時の10円は今の100円以上の価値があり、もったいなくてできなかった。手摺にぶら下がり餌探しするヤマガラの可愛い仕草を眺めながら、そんな昔の情景を思い出した。
帰りは駅前に出て炊事用手袋を買った。
水仕事はこれまで素手でしていたが、最近両手に主婦湿疹が出た。以前、薬疹が出た時処方してもらった最強のステロイド剤を塗ったが一向に良くならない。試しに炊事用手袋を使ってみると2,3日で治り始めた。原因は洗剤のようだ。ただ、炊事用手袋は装着感が悪く、手袋の袖口がすぐにクニャクニャに落ちて来る。それで、色々な品を試している。今日はゴム製の低アレルゲンの手袋を買った。ゴム製は伸びは良いが袖口の落ちる欠点は変わらない。よくこんな使いづらい品を、主婦は文句も言わず使っているものだ。
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