「無」について。2007年2月6日
散歩の行きがけ、下の新河岸川を見ると、昨日まで浮かんでいた浚渫船が消えていた。
昨夕までは、郵便を取りに下へ降りた時、浚渫船の甲板を赤い点滅するランタンを下げた作業員が歩いているのが見えた。回りには小さなタグボートや作業船が繋がれ、それぞれライトが灯っていていつも見とれていた。今朝、それらが消えて何もない川面を眺めると、移動サーカスのテントが消えたような寂しさを覚えた。
最近、仏教の「無」について考えている。
若い頃から幾度もその真の意味を知ろうと挑戦したが歯が立たなかった。座禅を組んで、仏教関係の本を乱読したが、真の意味は理解できなかった。しかし、年を経たせいか、それが少し分かって来た。どうやら「無」とは物の有る無しではなく、意識の有る無しのようだ。
仏教の輪廻の思想では、生き物はいろいろなものに形を変え永遠に生き続ける。しかし、意識は死によって中断されて、連続して存在せず、生まれ変わってもそれを認識することはできない。だから、生きながら意識を無にできれば、死は存在しなくなり、永遠の生を得ることができる。「無」は輪廻に基づいた思想かもしれない。
「千の風になって」の詩がメロディを付けられてヒットしている。
科学的に考えると、人は死ねば、炭酸ガス、窒素、水、と若干の灰分に分解される。逝った人が風になって訪れてくれるのは、科学的に考えても間違っていない。その意味で、輪廻は極めて科学的な考え方のようだ。
そして「無」は形而上と形而下の考えが融合して生まれた考えのようだ。
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