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2007年4月30日 (月)

エイリアン。2007年4月21日

30年近く前、晴海通りに面した東劇でSF映画エイリアン初回79年作を観た。
勇敢に闘う女性の主役、シガニー・ウィーバーがとても新鮮だった。それ以上に強烈なインパクトは本当の主役エイリアンである。
そのデザインのH・R・ギーガーも衝撃的で、以来彼の作品集を買い集めた。彼はエアーブラシの達人で、複雑な表現を実に巧みにこなしていた。彼の作品を憧れ、早速エアブラシ一式を買い求めたが、面倒なマスキングが必要だし、霧状の絵の具を吸い込むのも体に悪そうなので少し試しただけで止めた。その時買ったエアーブラシの道具は今も殆ど未使用のまま箱詰めで残っている。コンプレッサーの方は、当時の仕事の彫金でバーナー用圧搾空気に用いて重宝した。

今はコンピューター・グラフィックで簡単に表現出来るので、こんな面倒くさい体に悪い技法を使う若い人は殆どいない。昔はエアーブラシの道具は画材屋に行けば、どこでも置いてあったが、今はまったく見かけなくなった。しかし、タブロー作家や立体作家の中には愛用する人が今もいる。
精密器具のエアブラシを作っているメーカーが今もあるかどうかは分からない。産業用のエアブラシは壁塗りや板金塗装等で今も使われているので、メーカー自体は変身しながら生き残っていると思うが。

映画エイリアンの前評判は高く、古代に遭難した巨大な宇宙船内に残されたエイリアンの卵は公開前にグッズになっていた。東劇のロビーにも卵のグッズが飾ってあった。そのロビーで映画を待つ間、私は熟年の男達と映画論を熱く闘わせた。学生運動は終息していたが、知らない同士が議論する熱い雰囲気は当時は何処にでも残っていた。

エイリアンのことを思い出したのは、その強靭な強さに内心憧れているからだ。言うまでもないが、彼らは邪悪な存在ではない。ただ、我々が牛豚を食するように人間を食べ、猛烈な繁殖力を持っていたので、人から見れば邪悪なだけだ。逆に、エイリアンから見れば人間の方が邪悪なのかもしれない。
彼らは、繁殖の機会が無ければ、宇宙の果てで孤独に何十万年も眠り続ける。しかし、一旦、再起の機会が訪れれば、ふ化して外敵に果敢に闘いを挑む。彼らはどんな事態でも、最善を尽くし決してギブアップしない。エイリアンのことを思い出し憧れたのは、今私が疲れているからかもしれない。

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