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2007年5月20日 (日)

夕暮れ、テレビを止めて思うこと。07年5月20日

先程まで母は、夕食を食べながら「男はつらいよ、寅次郎物語」を見ていた。マドンナは秋吉久美子、ロケ地は吉野と伊勢志摩。20年前の映画で、まだ地方の商店街に活気があった時代である。このシリーズを観ていると、その当時が思い浮かび、いつも切なくなる。

「良かったね。」と、見終わった母はベットに入った。日が長くなって、6時になっても日は沈まない。私は隣室で、散歩用リュックの整理をしていた。ポリ袋、丈夫な紐、予備の手袋、携帯雨具、便座拭き。何れも母の車椅子散歩では必須である。

母は映画の余韻が残っているのか、テレビを止めていた。
静かな夕暮れの光の中にいると、部屋が広く見える。ふいに、母が入院していた頃を思い出し、母の死が頭に浮かんだ。老人や病人のいない家庭で、死を考えるのは稀だろうが、我が家では普通である。

そんなことを考えていると、隣室の母が子機で私の部屋の親機を呼び出していた。
「何。」と声をかけると「目薬を持って来て。」と母は受話器に答えていた。母は子機で、離れた仕事部屋の私と話していると勘違いしているようだ。子機を切っても、私が話し続けていると、「あら、そこにいたの。」と、自分の勘違いに気付き、笑い転げた。
笑い声が出る程に、最近の母はとても元気だが、本格的な夏を迎えれば、間違いなく弱って行くだろう。

それから母は、1週間前の母の日のことを話し始めた。
「晃子は、母の日だから来てくれたと思ったけど、自慢話だけして帰ったね。」
晃子とは直ぐ上の姉である。確かに、姉は母の日とは知らず、お喋りだけして帰った。
その日は、母が以前通っていた病院勤務のSさんが、花束と和三盆の茶菓子を持って母を訪ねて来た。その花は今もテーブルの上で元気である。それで、母の日を思い出したようだ。
それから、「タンスにしまっていた死に装束が見つからないけど、どこにしまったか知っている。」と、唐突に母は聞いた。10年以上前、母はタンスの一番下にしまいながら、自分が死んだら着せてくれ、と話していた。すぐに、思い当たる場所を探したが、白足袋だけで他は見つからない。大掃除をした時、姉がどこかにしまい直したのかもしれない。
「今度、晃子が来たら、探させるよ。」と言って、私は冷蔵庫へ緑内障の目薬キサラタンを取りに行った。冷えた目薬は気持ちが良いので、暑くなると母はいつも冷蔵庫に入れておく。

☆快晴の富士他5枚、左サイド写真日記へ掲載。

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