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2007年6月29日 (金)

小さな虫でも命を奪うのに躊躇するようになった。07年6月29日

夕暮れまで激しい雨が通路の手摺を打ちつけていたが、いつの間にか静かになった。
夜、開け放った玄関から大宮まですっきりと夜景が見えた。明日は晴れそうなので、シーツ代わりのタオルケットを洗濯しベランダに干した。多分、散歩に出る頃には乾くだろう。

ベランダも通路側も総て開け放ってある。雨で冷やされた夜風が吹き抜け心地良い。
夜風に乗って2センチ程のアブが飛び込んで来て、明かりの周りを羽音をたてて飛び回っている。昔、郷里の山間の沢で泳ぎ疲れ、石の上で体を温めていると、アブが飛んで来て血を吸った。放っておくと拙いと思い、殺虫スプレーに手を伸ばした。しかし、すぐに思い留まった。吸われると痛痒い厭な虫だが、最近、小さな虫でも命を奪うのに躊躇するようになった。
飛び疲れたアブは仕事部屋の壁にとまっていた。アブにガラスコツプをかぶせ、葉書を滑り込ませて蓋をした。そして、コップの中で暴れているのを持ち、通路に出て空中に放つと、アブは暗闇に飛び去った。この飛び去って行く光景には、いつも自由を感じる。

小次郎君のお母さんからメールが来た。迷子のコーギーの飼い主は見つかりそうにないが、引き取り先が見つかりそうだ。これで少し気持ちが軽くなった。
この出来事で知ったことは、迷子のペットの多さである。飼い主に必死で探してもらっているペットはまだ良い方で、大半は無責任に捨てられたペットたちである。

私も昔、知人から託されて飼い始めた4歳の可愛い雄ネコを迷子にしてしまった。
私は毎日探しまわり、1年後、自宅から1キロ程離れた場所で見つけた。彼は元々コロコロ太っていたが、見つけたとき更に太っていた。「テッちゃん」と声をかけると彼は慌てて塀の穴へ潜り込み逃げようとした。しかし、太ったお腹が邪魔してバタバタしている。そこを捕まえて連れ帰った。

テッちゃんは1年ですっかり食べ物の好みが変わり、竹輪や魚を好んだ。野良の間、おばあさんに可愛がられていたのかもしれない。その他の変化は棒や傘を極度に怖がるようになったことだ。優しい人がいる一方、野良は辛い事も多かったようだ。その所為か、連れ帰ってから、彼は二度と家出しなくなった。テッちゃんの絵は私のホームページのf-11。

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