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2007年8月11日 (土)

人生は長い葬儀なのかもしれない。07年8月11日

正午に36度を越えた。最高は37度を超えるかもしれない。
猛暑を予測して、散歩は早めに出た。車椅子の母にはたっぷり霧吹きしておいたので、風を切って車椅子を押すと、冷たくて気持ちが良いと母は言った。何度も書いたが、母は安価な霧吹きでこの猛暑をしのいでいる。
自然公園で母をいつものコースを歩かせた後、椎の木陰で休んだ。木陰はいつも涼風が吹き抜け最高に心地良い。この休憩は、冷房の中で過ごす人には解らない楽しみである。

帰宅して、陰干ししておいた喪服をしまった。
この喪服は14年前、甥が死んだ時に洋服の青山で買った。次の着用は同窓生が5年前の6月に死んだ時で、今回の着用は3度目になる。次があるとすれば母だが、夏には死なないように頼んである。

明日が正式な通夜で月曜が告別式である。しかし、明日も明後日も予報では猛暑。参列者には大変辛い葬儀になりそうだ。
去年から今年へ多くの知人があの世へ旅立ち、その家との関係は薄くなった。昨夜会った遺族とも、今後は付き合いは疎くなる。不思議なもので、親しい人がいなくなるとその家や土地との縁もなくなったように感じる。
先日会った友人も同じことを話していた。彼の両親は宮崎の郷里で亡くなったが、兄弟はまだ郷里に残っている。しかし、親がいなくなると宮崎が故郷ではなく遠い場所になってしまった、と彼は寂しそうに話していた。

最近母は日に日に知力も体力も衰え、元気なしっかりした母との別れを毎日のように感じている。もしかすると、母との生活は母の長い葬儀の一部なのかもしれない。いや、総ての人生は長い葬儀なのかもしれない。

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