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2007年9月 3日 (月)

蝉の声が遠くなって、静かな公園が戻って来た。07年9月3日

朝、風呂場でバケツに水を汲もうとたら、逆方向にコックをひねってしまい、頭上のシャワーが開いて、ずぶぬれになってしまった。1着きりの部屋用の半ズボンは直ぐに洗って干した。乾きやすい生地なので、散歩から帰る頃は乾いているだろう。

昔は気に入った衣服は必ず2着買った。しかし、今は、費用がかさむのとタンスの場所ふさぎなので1枚だけにしている。1枚だけでも、洗濯すれば一晩で乾くので、毎日、着ることができる。ただし、下着は6枚ずつ揃えている。夏場を基準に、日に3度着替えて2日分の計算である。

トヨタが部品在庫を持たない生産方法のカンバン方式を考えだしたが、私の発想はそれと同じだ。先日の上越地震で部品工場が被害を受け車生産がストップしたように、今回、ズボンを濡らした。しかし、それは滅多にないことで、1枚だけの着回しは合理的で無駄がない。無駄をしない生き方はエコロジカルで清々しい。

自然公園は涼しく静かだった。
歩いている母の杖に下げた鐘がチリンチリンと澄んだ音をたてている。私は母の車椅子に腰かけ、日射しのない曇り空を見上げながら、母の鐘の音をソロソロと追いかけた。「静かで、何と気持ちが良いんだろう。」と思っていると、ふいに、小さく消え入るように鳴いている蝉に気付いた。真夏の蝉の声は元気が良いが、初秋の蝉はどこか侘しい。

遊水池近くで顔見知りのおじいさんに会った。長身の品の良い人で、私たちに出会うと立ち止まり丁寧に帽子をとって挨拶する。顔馴染みになってから3年。始めの頃は普通の会話が成立していたのに、最近は気候の挨拶の後、すぐに中国戦線の話になる。会うたびに聞く同じ話だが、初めてのように聞いて「ご苦労されたんですね。」とねぎらう。おじいさんはいつものように嬉しそうに微笑んだ。
おじいさんにとって戦争の思い出は余程強烈なのだろう。子供時代の楽しい思い出も豊富だろうが、それを聞く機会はまだない。

公園のカヤが実を沢山つけていた。落ちていたのを5,6個拾って種を取り出して袋に入れた。これは煎って食べると生落花生に似た食感がする。大変良質な植物油が採れ、虫下しの薬効もある。

母が車椅子生活になってから、まもなく6年目に入る。その間、ガン手術等で右往左往していた時期があったが、今は母も私も静かに老いを受け入れている。どんな状況でも人は慣れてしまうようだ。

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