台風一過、母も私も少し元気になった。07年9月7日
昨日の午後、母は疲労困憊して夕食が喉を通らなかった。
台風余波の高湿度が良くなかったのだろう。今朝まで雨が残っていたのに、部屋の湿度は80%と昨日より10ポイント下がった。それだけで母も私も体調は良い。高温より高湿度の方が体調へのダメージは大きいようだ。
朝、激しい雨風の中、母を川向こうの生協浮間診療所へ定期検診へ連れて行った。
期待通り、待合室はがら空きで殆ど待ち時間はない。担当医師や看護婦さんに「台風の雨の中、よくおいでになりましたね。」と褒められ、母は嬉しそうだった。
血圧を測り、聴診器をあて、首筋やお腹を触診し、その後は、今年の猛暑をどうしのいだかと言った雑談になった。「霧吹きのおかげて、暑い中も散歩が出来ました。」と母は霧吹きの効能を楽しそうに説明していた。診療所に行ったからと言って、特別な治療があるわけではない。そのような、医師とのやりとりが母を元気にさせているようだ。
午前中の母はとても元気だが、午後になると酷く疲れて無口になる。
殊に昨日は調子が悪く、母は夕食を摂らずテレビも点けずに暗い顔で寝ていた。私は母の様子が分かるようにテレビを止めて仕事をした。台風余波の風の中、切れ切れに鈴虫の澄み切った声を耳にしていると、やりきれない喪失感に襲われた。最近の母の疲れ具合を見ていると、来年、母が95歳を迎えるのはかなり厳しい気がする。去年の緊急入院する前の今頃と比べても、母の体力は著しく低下している。去年は週一回、通所リハビリで1日を過ごすことができたのに、今年は到底無理になった。去年まで熱中していた手芸は、今はその意欲も根気もない。食事の量、歩くスピードと距離、どれを比べても確実に母の老いは進行している。
しかし、それらを深刻に考えないようにしている。老人の体調が日々弱るのは自然で当たり前のことで、それを心配したり悩んだりした所で、母が元気になる訳ではない。介護は淡々と合理的に対応していれば、最良の結果がでるものだと、最近ようやく分かってきた。
生協浮間診療所から帰る頃、雨は止んだ。処方薬を桜並木の薬局で受け取った後、東京北社会保険病院下の公園で、昨夜の台風で落ちた榎の実を拾った。この公園の榎の実は直径6,7ミリと大柄で甘く美味い。私はその少し粉っぽい食感が大好きだ。人が歩かない清潔な場所で拾った実を、更に水飲み場でよく洗い母にも食べさせた。
午後、風は残っているが、青空が見え時折が日射しが照りつけ、お昼に洗った洗濯物は殆ど乾いた。台風が去って、秋は更に深まるだろう。
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