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2007年10月10日 (水)

ようやく企画書を送信し、今は絵描きに戻っている。07年10月10日

昨夜もパソコンに向かって、あらかた企画書を書き上げた。資料を含めると、三日間で3万字程の原稿を打ったことになる。これほど続けていると頭の中がコンクリートのように堅くなり、何か考えようとしても頭が働かない。しかし、目的の原稿だけは打てるのだから不思議である。

午前2時過ぎに床に就いたが、母のひどい咳きが聞こえるので、起きて行って咳止めを飲ませた。その後はまったく眠れない。午前3時、仕方なく母のレンドルミンを半錠飲んだ。この薬はよく効く。いつの間にか寝入って、午前6時に目覚めた。再び朝食まで原稿を打ち、食後はいつものように散歩へ出た。

雨が久しぶりにやんだ。金木犀は今を盛りに鮮やかなオレンジ色に覆われている。しかし、香りは随分弱くなった。この花は毎秋、突然に香って来て、いつの間にか消えてしまう。その唐突さには、いつも驚かされる。

気候が良くなったので散歩する人が増えた。母は赤羽自然観察公園へ着くまでに10人近い人と挨拶を交わした。公園に着いても、次々と知人に会うので、なかなか前へ進めなかった。
園内はススキの穂が出そろっていた。3年前、一カ所だけに赤味の強い穂の株があったが、優性遺伝するようで、今は園内の半分以上が赤味を帯びている。今は白い穂と赤い穂が紅白に縞を作って美しいが、その内、赤一色になりそうだ。

炊事棟では20人ほどの老人グループがバーベキューをしていた。みな、嬉しそうにビールを飲んでいる。どんな高級レストランより、自然の中での食事は素晴らしい。
母にトイレを使わせている間、私は男トイレで用をたした。すると、
「明るい、綺麗なトイレだね。」と酔った老人が入って来た。
「ここは、昔の学校のトイレのにおいがするでしょう。」と言うと、
「うんうん、このにおいだ。」と、老人は懐かしそうに頷いた。
「電灯を消すともっと昔のトイレに似て来ますよ。」と、電灯のスイッチを切って見せると、
「本当だ。」と、老人は薄暗い天井や明かり取りを見上げた。暗いトイレから見上げる明かり取りは、絡んだ蔦の葉が緑色に透けて美しい。昔の学校のトイレは、そのようにどこも薄暗かった。木造でコンクリートの床に踏み板が置かれ、消毒薬のクレオソートが臭っていた。
母を車椅子に乗せているいると、長い小用が終わった老人が通りかかった。
「小便の切れは悪いし、夜中に4,5回は目が覚めるし、厭になっちまう。」
と、老人は、ぼやきながらグループへ戻って行った。

生協で買い物を済ませ、急いで帰宅して、昼食までに原稿を仕上げた。
昼食後、慎重に原稿チェックをして、画像データと一緒に2時半に送信した。こんな時、昔は何度も出版社へ出かけていたが、今は編集の顔を見ないで済むので助かる。
送信が終わるとどっと疲れが出たが、早く寝ると眠れなくなるので、我慢しながらテレビを見た。企画書の結果は出版社が判断することで、それから先は忘れることにしている。夕食後は本業の絵に戻ったが、やはり絵は良い。筆を持っただけで気持ちが和んでくる。

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