母は車椅子は最高の乗り物だと思っている。07年10月27日
昨夜は7時間近く眠った。それ程長く眠ったのは5年前に母が倒れてから始めてだ。深夜から冷たい雨が降り始め、その適度な湿度のおかげで母の咳き込みが少なく、起こされずに済んだようだ。最近、午後から夜へかけての母の咳き込みはひどい。時には咳の刺激で嘔吐することがあるので、咳き込みが長く続く時は、夜中でも飛び起き様子を見るようにしている。
寒い雨の日に、暖かい布団に繭のように包まって眠るのは心地良い。それに炬燵が加われば最高なのだが、残念ながら今の住まいに炬燵はない。昔、暖房のない安アパート時代、敷き布団の上に赤外線炬燵をセットして潜り込んだ時の幸せな気分をふと思い出した。
母は冷たい雨の日の散歩が好きだ。車椅子は雨具でしっかりと覆われているので寒くなく、人の歩くスピードで外気に触れながら静かに進むのが楽しいようだ。健康な頃の母は雨の日に散歩する事はなかった。しかし、車椅子生活になってから雨景色も雪景色も楽しめるようになった。母に言わせると、車椅子はロールスロイスやベンツを凌ぐ、乗り心地の良い乗り物らしい。
冷たい雨の今日も、車椅子の母に雨具をすっぽり被せて散歩へ出た。道を覆う色とりどりの落ち葉を眺めて母は嬉しそうだった。雨に濡れた自然公園は紫式部とピラカンサの実が鮮やかさを増し、錦木に続いてマユミや萩が色づき始めた。人影は少ないが、古民家では子供たちの昔の食事体験会をやっていた。薪の煙りは甘い香りがして懐かしい。食べる子供たちより、作る大人たちの方が多いが、昔通りに薪を燃料にして作る料理は楽しそうだ。帰りに鬼グルミを2個拾って、帰ってから万力で割って食べた。新鮮でとても美味い。
昨夜はNHKプレミアム10「菅野美穂インド・ヨガ聖地への旅」を見た。その中でベナレス風景が良かった。毎日繰り返される壮大な野辺の送りや、死者を癒す灯明流しを眺めていると不思議に気持ちが安らぐ。人は必ず死ぬ。その当たり前のことが、現代社会では忌み嫌われている。しかし、ベナレスでは死が生活の一部として受け入れられ、それが自然で気持ち良かったのだろう。見終えた後、グーグルアースでベナレスの衛星画像を見た。東京等のように精緻ではないが、写真マークが沢山付いているので、当地の写真を何枚も開いて見た。
その後、中学高校時代を過ごした宮崎市内に飛んでみた。この街は良い思い出が少なく、今まで開いたことがない。始めて、私が住んでいた辺りを衛星画像で見ると、45年前と激変していた。昔はどの家にも庭木が豊富にあったのに、今はその殆どが駐車場になり、殺伐とした町並みに変わっていた。画像を眺めながら、私がその街を嫌いになった訳が、何となく分かった。
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