雨の中、ふいに金木犀が香った。07年10月9日
雨の中、ふいに金木犀が香った。金木犀の開花はいつも突然で驚かされる。この樹木は赤羽に多く、散歩中、途切れることなく次々と香って来る。
緑道公園脇の宝憧院墓地にも見事な金木犀があった。7メートル近い高さで、金木犀としては大木である。香りだけでなく、花が散る時も見事で、毎年、周りの墓石をオレンジ色に彩っていた。その金木犀が今年は消え、切り倒された跡に新しい墓石が立っていた。
最近、都内在住者が郷里の墓を移転するケースが増えている。その需要に応えるようにお寺が切り倒したのだろう。何かを立てるために何かを犠牲にするのは仕方がないが、長い年月生き延びて来た生き物を、宗教家が利益のために切り倒すのは釈然としない。
土曜日、母は数十年ぶりに郷里の知人と会い、昔話をして別れた。互いの年齢を考えると最後の再会で、この次はない。自然公園でも、去年の初夏を最後に会えなくなった顔馴染みが数多くいる。その殆どは寝たっきりになり、外出がままならなくなっている。もし、出向いて会ったとしても、その変貌ぶりに母も私も驚くだろう。老年は別れの繰り返しで、毎日が緩慢な告別式に思える。今は、一期一会の大切さを噛み締めながら、人に接しようと思っている。
知人が帰ると母はガクリと弱ってベットに横になった。
最近、そのようなことが頻繁に起こる。このままでは、来年は散歩へ連れ出すのが難しいかもしれない。死の寸前まで、散歩に連れ出せるくらいの体力を維持して欲しいと願っているが、思い通りならないのも人生である。昨日は母の夏物のシャツをタンスにしまった。しまいながら、来年、取り出して着ることができるだろうかと考えていると、寂しくなった。
明日提出の企画書の原稿作りで、昨夜は2時までパソコンに向かっていた。今日も眠いまま、キーボードを打っている。ブログのように気楽に打てるものは楽しいが、仕事となると、相手の思惑も考えねばならず、ひどく疲れる。
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