木枯らしの中で日なたぼっこ。07年11月19日
木枯らしの中、散歩へ出た。大気の埃が強風に飛ばされ、玄関前から関東一円の山々がすっきりと一望できた。山のクマ達は巣ごもりして冬眠に入っているだろう。
私は夏スタイルにジャンパーを羽織っただけなので冷たい風が寒い。思い切り車椅子を押し続け、緑道公園に着く頃にやっと体が温まった。
今年は柿の豊作年で、散歩道の柿の木はどれも枝が折れそうなくらい鈴なりだ。古民家では、近く豊作の柿を集めて干し柿作りをする。私は干し柿が大好物で、こんなに美味しい乾果は他にないと思っている。
子供の頃、干し柿作りで大量に出た渋柿の皮はムシロに広げ道ばたに干してあった。干し上がると皮に残った果肉が甘くなり、沢庵漬けの甘味付けに使った。子供たちは、果肉が多めに残った皮を見つけ、おやつ代わりに食べた。しかし、これは不味く、少し齧ってすぐに止めた。
他にも道ばたに色々なものが干してあった。郷里の大堂津は鰹漁が盛んで、鰹節作りで残ったアラは蒸してムシロに広げ肥料のホシカを作った。蒸し立てのえらの内側にはシシゴロと呼ぶ心臓がある。子供たちはそれを見つけると取り出して食べた。シシゴロは今は大変な珍味で、高額で取引される。当時は母が鰹節工場の知り合いに頼んでおくとバケツ一杯をただで貰えた。赤身とレバーを合わせたような不思議な味で私は好物だった。
木枯らしの吹く自然公園は人影が少なかった。先月まで見かけたトカゲ達はすでに石垣の隙間で冬眠していて、一匹も見かけない。石垣を這う野イバラの赤い実を摘んで食べると強い酸味とほの甘い味がした。バラの実一般はビタミンCが豊富でローズヒップとして風邪予防に使う。
今年はインフルエンザの流行が早い。まだ予防接種を受けていないので、母に風邪を引かせないように気を付けている。予防法は、少しでも風邪の気配を感じたらすぐに葛根湯を飲ませる。この漢方薬はウイルスが増殖する前に飲むと、とても良く効く。
古民家生け垣の風の当たらない日溜まりで休み熱いお茶を飲んだ。母は湯たんぽを抱えているので暖かい。私は日射しに温まった石垣に腰かけた。ポカポカして居眠りが出そうなくらい心地良い。
昨日今日と、夢中で漫画を描いている。絵と漫画は技法的に逆の対極にある。絵描きは素朴な線を大切にするが、漫画家は美麗を旨とする。その相反する矛盾を受け入れるのが大変で、結局、パソコンを併用してどちらでもない表現に落ち着いた。
昨日、旧知の方の尽力で小品が2点売れ、厳しい状況の中で一息つけた。今は安堵した勢いで、一気に仕事を進めている。感謝。
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