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2007年12月11日 (火)

ワーキングプア、マイナス思考だけでは不幸になる。07年12月11日

昨夜、NHKで「ワーキングプア1&2」を見ていたが、辛くなってチャンネルをNHK教育に変えた。教育で取り上げていたのは日本の長寿企業久留米の鑞メーカーだ。その熟年社長の話は、CDやDVDの素材に蜜鑞を加えると音飛びが少なくなるとか、コピー機のトナーに使う鑞の話とか楽しかった。トナーに使う鑞は中国奥地のカイガラムシが分泌する天然鑞が一番優れている。それを見つけ出したのもその久留米の鑞メーカーで、今は寄生樹木の植林を進め、中国政府からも表彰された。「ワーキングプア」の堪え難い暗さに対し、こちらの話は明るく前向きで救われた。

それにしても、「ワーキングプア」の睡眠4時間で夜昼働いている若いお母さんのケースは気の毒でならない。政府は出生率増加を声高に言っているが、この現実を知った若い人は子供を産む気をなくす。真面目に自助努力で頑張っている人の収入が、生活保護費より低いことにも愕然とさせられた。

度々、私は昭和30年代のことを書いている。あの時代の素晴らしさは、特別な才能がなくても、コツコツ真面目に働いていたらそれなり豊かになれたことだ。仕事も今より当時の方が多様で、自分に合った職種を選べた。
先日、酉の市の帰りに浅草のひさご通りへ出た時、通り中央に伝統工芸を紹介している施設があった。ちょっと覗くと、ヤスリ職人が目立ての実演をしていた。今もそのような仕事が残っていたのかと、とても驚いた。昭和40年代前半まで、鉄工所ではヤスリの切れが悪くなると目立てに出して再生していた。当時、そのような目立て屋が鉄工所の多い環七や中山道沿いにあったのを覚えている。しかし、すぐにヤスリの使い捨て時代が来て、その職種は消滅してしまった。更に、製造業や鉄工所でヤスリを使う作業も激減した。

当時は、テレビが故障すると修理屋を呼んで治してもらった。修理代は1万前後で、今の価値で2万前後だ。自転車でも、傘でも、ミシンでも、修理をして大切に使っていたが、安い中国製品のために、その殆どが使い捨てになってしまった。そして、携わっていた修理職人さんたちも職を失った。石油を始め、多くの資源が急騰して、世の中暗い話ばかりだ。しかし、これをきっかけに食物を無駄にせず、ものを大切に使うようになれば、かえって生活は楽になるかもしれない。マイナス思考だけでは人は不幸になるばかりだ。

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