秋のように人生の終局も美しくありたい。07年12月9日
プチプチについては、「窓のプチプチを貼り直した。07年12月5日」をお開き下さい。そちらへ纏めました。
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午前2時、母の部屋へ窓の断熱シートの具合を見に行くと、母は電気をつけてベットに腰かけていた。聞くと「さっきから飲み薬を探しているけど、見つからない。」と言う。深夜に母が飲む薬はない。そう説明すると、母は「そうだったね。」と、すぐに正気に戻って横になった。今年になって、母はつじつまが合わないことを言うことが増えた。しかし、私はそのようなまだら惚けに安堵している。94歳母が来年を無事に過ごせるかどうかわからない。もし、正気なまま自分の死を自覚するとしたら、とても耐えられることではない。惚けはある意味で救いである。
暖房は止めてあったが、母の部屋は暖かかった。貼り直した断熱材の効果が出でいるようだ。例年、厳冬期の暖房費は月に18000円を要する。今年は15000円を大きく切りたい、と期待している。
今年の秋は素晴らしい。紅葉は終わり始めたが、枯れ葉が舞い落ちる中を母の車椅子を押すのは楽しい。殊に、桜の落ち葉を車輪が踏んだ時漂う、爽やかな芳香は新鮮な発見だ。自然公園を吹き抜ける風の音も良い。目をつぶって聞き入ると、昔、旅行した東北の秋を思い出す。この歳になって、四季の中、秋を一番素晴らしく感じるようになった。それは、夕暮れを美しく感じるのに似ている。四季のように人生の終わりも一番美しければ良いが、多分、期待通りにはいかないだろう。
一人でどのように終わりを迎えるか、今、一番関心があることだ。
紆余曲折の末、何とか動き始めた本の仕事でも、その辺りをテーマにしようと思っている。本には素晴らしい言葉ではなく、老いてからの野太いサバイバル術を書きたいが、編集部に容認されるかどうかは分からない。これから先、かなりハードな毎日が待ち受けていそうだ。
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