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2008年1月18日 (金)

風に舞う蒲の穂綿が汚いからと、根こそぎ抜かれてしまった。08年1月18日

曇っている上に寒い。御諏訪神社の境内は一面に霜柱が立っていた。しかし、赤羽自然観察公園の結氷はまだない。4,5年前まで1月になれば、毎朝、湿地に薄氷が張っていたのに、温暖化は一段と進んだようだ。
寒いけど母には、適度の湿度があって呼吸が楽な散歩だった。私も曇った寒い日は爽やかで好きだ。更に、曇り空をバックにすっくと立つ冬枯れの梢を見上げながらの散歩は楽しい。それは何処かで見た風景によく似ているが、それが何処なのか、どうしても思い出せない。多分、4,50年前のフランス映画の風景で、それに郷里南九州の風景が交ざり合い、架空のイメージが作られたのだろう。だから、いくら記憶を辿っても辿り着けるはずがない。

赤羽自然観察公園のジャブジャブ池の蒲を、根こそぎ抜く作業が始まった。おかげで、蒲の茂みを目指して集まっていた水鳥たちは、今年はまったく見かけない。野鳥観察を楽しみに来園していた老人たちは、「ひどいことをする。」と口々に不満を言っていた。

蒲を抜く理由を関係者に聞くと、近隣の住人から、蒲の穂綿が風に舞い洗濯物や部屋を汚すと厳重抗議が役所にあったようだ。私は何度も穂綿が風に舞う姿を見ているが、それ程ひどいとは思っていない。むしろ、季節の風物詩として美しくさえ感じていた。これから春になれば、柳の穂綿が舞う。それもまた抗議の対象になるのだろうか。この不寛容さには、怒りと同時に乾き切った心の寂しさを感じる。

itunesストアーから志ん生の「火焔太鼓」を購入した。画像無し30分で700円。購入ボタンを押すと、一瞬でダウンロードされて、設定を間違えたのではと思った程だ。
仕事をしながら聞いたが、志ん生はやっぱり名人だ。言葉のはしはしに、江戸下町の風情が漂っていて、笑いながら聴き入ってしまった。データをCDに入れて、昼食後母に聞かせると、「志ん生は良いね。」と、ひとしきり昔の思い出を楽しそうに話していた。笑いは老人を元気にさせ、ガン治療にも効果がある。「火焔太鼓」を薬と考えたら700円はとても安い。

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