母の老人性鬱は休ませると悪化する。08年1月6日
ようやく正月気分が抜け、散歩コースにいつもの顔ぶれが戻った。
御諏訪神社先のゴールデンのルイちゃんは車椅子の音を聞きつけて尻尾をふりふりアルミ柵までやって来た。柵の間からゴツンと出した大きな頭を「良い子だね。」と、母が頭を撫でると、柵のブロックに顎を乗せ目を細めた。子犬の時から可愛がっているので、彼は私たちの言葉をよく理解する。しばらく撫でて「じゃあ行くから、バイバイ。」と言うと、ルイちゃんは素直に家の中へ戻って行った。
先日の粗相が尾を引いて、朝から鬱気味だった母はルイちゃんに会って明るくなっていた。ペットたちの癒し効果は本当に素晴らしい。
緑道公園ですれ違った元ハーモニカ奏者のお爺さんは、「やあ、今年も元気ですね。」と、母に片手を上げて挨拶した。80代半ばなのに、とても元気な人だったが、最近は足取りが悪く体が右に傾くようになった。もしかすると、脳血管に微細な梗塞が始まったのかもしれない。どんなに頑張っても、老いは体の各所を蝕む。私たちに出来る事は、老いの訪れを少し遅らせることだけだ。
穏やかな陽光の中、自然公園を散策していると気持ちが安らいだ。どんなに辛い時でも、この安らぎは変わらない。
いつものように管理棟のトイレを使った後、母は顔馴染みの老人達と新年の挨拶を交わした。それから物忘れ、足腰の弱り、病院通いと、老人たちの病気自慢が始まった。この、老いを正面から見据えて笑い飛ばす姿勢が、老人達に活力を与えているようだ。
老人たちと別れた後、「自然公園に来ると、ホッとするね。」と母の表情は一層明るくなった。散歩に出る前、「疲れているので止めようか。」と、母が言っていたのを無理矢理に連れ出して来た。疲労の原因が体の病気なら休ませるべきだが、今日の母のように、心の病の場合は休ませると却って悪化する。介護を始めて6年目。その年月で学んだ事だ。
今日は、今年始めて出会う人が多く、新年の挨拶で時間を取られた。赤羽駅前へ出て、買い物をし帰宅したのは1時近かった。
昼食後、仕事部屋のテレビを点けると画面上下が縮まって帯状に写った。20数年前に8万で買った14型テレビだが、いよいよ寿命がきたようだ。もしかすると、テレビは点けずに仕事に専念しろ、との神の啓示かもしれない。午後は静かな仕事部屋で、今進めている本に入れるイラスト描きに専念した。確かに、テレビがないと集中できて効率が上がる。
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