早春の日射しの中、病院の屋上庭園でセキレイを眺めていた。08年2月20日
今日は定期検診に、早朝、東京北社会保険病院眼科へ母を連れて行った。
車椅子へ座らせ、ガス電気の消し忘れがないかを点検する。一人での外出と違い、母との出かけ支度は点検項目が多くて5,6分はかかる。その間、母を車椅子で待たせるが、今日は風に冷たさが消え楽だった。
昨日行った緑道公園の辛夷は莟が膨らみ開花寸前だった。辛夷が咲くと、自然公園の青トカゲ達は冬眠から目覚める。日射しに温められた石垣の間から眠そうに顔をだしているトカゲたちと再会するのは楽しい。
下に降りると、顔馴染みの親子に会った。幼稚園の送迎車を待つお姉ちゃんは弟と日溜まりで遊んでいた。弟は去年まで母親にだっこされていたのに、今は元気に走り回っている。わずか1年で驚く程の成長だ。
5年前、エレベーターで、「何階ですか。」と私たちの階のボタンを押しくれていた優しい小学生も、今は凛々しい若者に成長した。成長して行く子供たちを眺めるのは楽しい。
東京北社会保険病院の混雑は緩和していた。隣町の東十条病院閉鎖に伴い、一時受け入れ先を失った患者が殺到したが、それぞれの場所に落ち着いたのだろう。住まい隣の浮間中央病院は改築中で、今年7月に再開する。そうなれば、更に患者は拡散する。私の住まい近くは病院の密度が高い。半径500メートル以内に大小10軒の病院がある。この地の利は、年寄りを持つ私には有り難い。
眼科は待ち時間なしで診察してもらえた。
「変化はありません。何か気になる事はありませんか。」
医師の言葉は5年間変わらない。緑内障は治ったり改善したりする病気ではなく、進行がなければそれで良い。最近、母が背中を痒がるので、目薬の他に抗ヒスタミン軟膏の処方を頼んだ。
会計の後、病院3階にある屋上庭園へ母を連れて行った。屋上庭園にはハーブが植えられていて、スペアミントは遊歩道にはみ出るほど元気に繁茂している。いつものように数枚摘んで軽く揉むと、鼻腔に爽やかな香りが広がった。
日射しの中、ベンチに休むと眠くなった。昨夜は2時まで仕事をしていて、頭が冴えて寝付きが悪かった。母に持参したお茶を飲ませながら、ぼんやり庭園を眺めた。目の前数メートルの芝生で、病院庭でいつも見かけるセキレイが餌探ししていた。人への警戒心がなく、長い尾羽を上下に振りながら歩く姿が可愛い。優しい体つきなので雌かもしれない。彼女の縄張りは病院敷地から下の桜並木までである。地面には何も落ちていないように見えるが、時折、何かをついばむ。小さな虫や草の種が落ちているのだろう。
母の体調は低空飛行ながら安定している。原稿が仕上がるまで、このまま穏やかに推移してくれることを願った。若い頃は停滞感が恐怖だったが、今は、変わらないことに幸せを感じる。
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