先祖代々の墓が母を悩ませ鬱状態になった。08年2月22日
母は、散歩を昨日まで2日続けて休んだのと、菩提寺の墓のことが気になり鬱気味である。今朝は内科の定期検診に川向こうの浮間生協診療所へ母を連れて行った。予約なので待ち時間は殆どない。診察は血圧を測り、聴診器で呼吸音を聴き、短い会話をしてすぐに終わった。体調に変わりはなく、いつもの処方箋を貰って出た。
日射しは暖かく、外のそよ風が心地良い。診療所前には、焦げ茶トラのメインクーンが置物のように座っていた。フサフサの尻尾を足元に巻き、きちんと揃えた前足が可愛い。彼は傍らの茂みに他のネコがいるようで、気になる様子だ。母としばらく眺めてから、お昼の買い物へ向かった。
車椅子を押しながら、墓の今後のことを母に話した。母の悩みは菩提寺にあった先祖代々の墓が壊されたことに始まる。福岡警固の墓は14,5年前に取り壊され、ロッカー式の納骨堂に建て変わった。その時、建設費等を支払ったが、再度、建て替えるからと寺は応分の寄付を求めてきた。
墓の維持費は私が負担するのが苦しくなり、数年前から長姉に任せてある。しかし、その長姉は離婚した上、体調を壊して入退院を繰り返している。そこに、多額の寄付を求められても応じるのは無理だ。母はそのことをグズグズ悩み、鬱状態になっていた。
本来、衆生を悩みから解放する為に宗教が生まれたのに、宗教によって悩みや苦しみが増えるとは理不尽極まりない。宗教が職業化し、檀家からの収入が無いと寺院経営が成り立たないことにその原因がある。しかし、それを母に言っても仕方がない。
道々、「寺には実情を話し、理解してもらうから。」と話すと、母はようやく納得した。
時間が早いので、自然公園まで足を伸ばした。途中、緑道公園の白梅では、メジロが数羽、蜜を吸っていた。長年、楽しませてくれた梅の木だが、家の建て替えの為、近々切られる。先日、その近所の人がどうせ切られるからと、梅の枝を切ってくれた。持ち帰り、暖かい部屋に置くと莟が総て開き、部屋に梅の香りが漂った。
自然公園に着く頃、春日射しに背中が汗ばんだ。古民家の土間の涼しさが心地良かった。古民家にはおひな様が飾ってあった。花祭りの唄を聴きながら、ぼんやりとひな壇の男女関係を想像した。三人官女はお内裏様のお妾さんで、官女の一人が若い右大臣とできていてと、昔の人は女の子に、世の中の仕組みを教えていたのかもしれない。
自然公園で母は何人も顔馴染みに会い、表情が明るくなった。公園の暖かい斜面にオオイヌノフグリが無数の青色の花を咲かせていた。可憐な花なのに無粋な名前を付けられ、気の毒なことだ。
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