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2008年2月 3日 (日)

節分の雪。雪の朝 紅さす君を幻に 08年2月3日

雪の中、散歩に出た。歩道に5センチ程の積雪。踏み跡の凹凸に車輪が取られ車椅子が重い。御諏訪神社の急坂を何とか押し上げて、ホツとした。今日は水っぽいグズグスの積雪なので助かる。しかし、明朝凍ると車椅子はまったく押せなくなる。

緑道公園の陸橋の登り坂には踏み跡はなかった。真っ白な雪に轍の跡を付けるのは楽しい。登り切って下を見ると、大型犬の小次郎が見上げていた。近づくと嬉しそうに身体を寄せる。寒さの所為で下毛が立ち、フワフワに縫いぐるみみたいだ。小次郎は母の雨具を鼻で突いた。そうすれば、飼い主のKさん経由で、母からビーフジャーキーを貰えることを知っている。母の手を経て貰った堅いジャーキーを小次郎は雪の上で美味しそうに食べていた。今日はベットたちには会えないと思っていたので、母も私も嬉しかった。雪の中、緑道公園には、紅梅、鑞梅、山茶花と咲いている。寒くても春は近い。

雪の朝 紅さす君を幻に

昔、雪の日に詠んだ句である。今日の雪の下から、山茶花の紅色が滲んでいるのを見て思い出した。その人は結婚をして、今は3人の子供に恵まれ幸せに暮らしている。句を詠んだ頃は、横浜でデートを重ねていた。ビビットなルージュがよく似合う色白の人だった。

生協でお昼の買い物をした。店内では、「冷凍餃子を保管されているかたは、食べずにお持ちください。」と休みなく放送していた。中国のインターネットでは「厭なら輸入するな。」とか「農薬ごときで倒れる日本人はひ弱だ。」と言った過激な言葉が行き交っている。私は彼らと別の理由で食料の製品輸入は間違っていると思っている。中国製品を買うより、自分で食材を調理する方がもっと安い。

帰りは下り坂ばかりで、楽に車椅子を押した。信号待ちしていると、蕎麦屋の親父が出前のカブを停めて缶ジュースを飲んでいた。寒いのに喉が渇くのは、もしかして糖尿だろうか。太り気味で油ぎった赤ら顔が気になる。

去年末、長年糖尿で苦しんでいた遠縁の者が多臓器不全で死んだ。
総カロリーと糖質を制限し、運動に励み適正体重を保てば、成人型糖尿病の殆どは軽快する。しかし、美味しいご飯を減らすのは至難のことだ。近い将来、万能細胞が臨床に使えるようになれば、拒否反応の起きないインシュリン分泌器官のランゲルハンス島が移植できて、この病気は解決する。

帰ってからイワシの頭をヒイラギの枝にさし、住まい各所に飾った。豆ガラは台所のシンクで燃した。豆ガラの弾ける音と甘味のある煙りの香りが懐かしい。その後、灯りを総て消して、形だけの豆まきをした。
「今年の節分も、無事に迎えられたね。」母は雪明かりの中で嬉しそうに言った。豆まきをしながら、今年こそ幸せに恵まれたい、と願った。

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