自然公園の青トカゲたちは冬眠から目覚めた。08年3月11日
好天でとても暖かい。18度を予報していたが今日は当たっている。薄着で出たのに汗をかいてしまった。日影や風が心地良いくらいだ。それでも母には厚着をさせている。中国古来の健康法に、春は厚着、秋は薄着とある。春は夏の暑さに備えて厚着で身体を慣らし、秋は冬の寒さに備えて、薄着で身体を慣らす、と言う意味だ。合理的なので母に実践している。
緑道公園のウグイスは先月より上手くなり、今日は「ホーホケキョ」とはっきり聞こえた。ホーの部分をもう少し伸ばせたら完璧である。左手のシデノキの枝で鳴くウグイスに聞き惚れて、右手の辛夷の開花を確かめるのを忘れてしまった。
自然公園に着くと、石垣の隙間で、今年始めて青トカゲが眠そうに日なたボッコをしていた。この様子では辛夷も開花しているはずだ。去年は3月4日に開花して、青トカゲは6日に目覚めた。
管理棟前に広いシートが敷かれ可愛い荷物が並んでいる。近所の幼稚園の昼食会である。母がトイレを済ますのを待っていると、子供たちが行儀よく戻って来てシートに座った。女の子達は4,5人づつ集まって、ままごとをするように飲み物を酌み交わしている。みんな、先生の言いつけを聞いて行儀が良い。我々の頃のように、広いシートでデングリ返しをする者など一人もいない。
55年前の日南の大堂津小学校時代、時折、先生の発案で外で弁当を食べた。当時は気のきいたシート等なかったので、ゴザを持って行った。草原にゴザを何枚も敷き詰めると、うきうきしてみんな大騒ぎした。当時の先生は大らかでとても優しかった。だからか、女先生をうっかり母ちゃんと呼ぶ子供がいて、みんな大笑いした。野外で食べる弁当は、粗末なものだったが、とても美味しかった。
帰り道、緑道公園を三輪車の小さな子供連れの母子がやって来た。桜広場に着くと、母親は「帰り道が遠くなるから、ここで引っ返そう。」と言った。子供は三輪車の上に立って自然公園方面を眺めていたが、諦めて母親と引っ返して行った。
ふいに、子供の頃の町外れのことを思い出した。海辺の町から内陸へ進むと、仏坂と呼ばれる寂しい峠があった。そこが子供たちの遊びの境界線で、そこまで来ると急に寂しくなって引っ返した。引っ返す境界線は成長と共に遠くなる。先程の子供もやがて、自然公園まで足を伸ばすだろう。そんなことを考えていると、またもや、辛夷の開花を確かめるのを忘れてしまった。
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