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2008年3月24日 (月)

春の日々、ふいに母の急変の気配を感じる。08年3月24日

寒い雨の中、散歩へ出た。車椅子の母は湯たんぽを膝に乗せているので寒くはない。御諏訪神社下の交差点を渡っていると、後ろに人の気配がした。振り返ると交通整理のおじさんが、旗で車の侵入を制止している。
「雨の中、大変ですね。」
おじさんは笑顔で声をかけ、坂を上って行く私たちを見送った。いつもお喋りばかりしていて、私たちに無関心な交通整理のおばさん達と比べると、おじさん達は誠実である。

雨は強く、緑道公園の陸橋下で雨宿りしながらお茶を飲んだ。クラシックな石造りを模した陸橋の壁はヨーロッパの街角を想わせる。
「橋の下は、浮浪者になった気分だね。」
母に言うと、懐かしい言い回しだと笑った。最近、「浮浪者」は「ホームレス」に取って変わった。私はホームレスより浮浪者の方が情があり、温かい言葉だと思っている。

本の仕事が中途半端に中断してから、どっと疲れが出た。先日、タケシの人気番組「本当は怖い家庭の医学」で、疲労を取り上げていたが、仕事に集中し過ぎると、副交感神経などの誤作動で、本当は疲れていても疲労を感じないらしい。今回の私がそうで、睡眠3時間で原稿書きに集中していたが、まったく眠気も疲労も感じなかった。しかし、先日、左目外側の白目が出血したところを見ると、身体は疲労していたようだ。もし、この生活を更に続けていたら倒れたかもしれない。番組中でも、疲労を感じずに頑張り過ぎて倒れた例を取り上げていた。今は6時間以上睡眠を取っているのに眠い。これは正常な反応のようだ。

自然公園の木々の芽吹きは雨に濡れて美しい。この散歩があるので、母も私も過酷な状況にも耐えられる。清々しい気分で車椅子を押していると携帯が鳴った。生命倫理学会事務局から今年の学会誌装丁の依頼である。卵をテーマに空と風景を組み合わせるこの仕事は気に入っている。二つ返事で受けた後、更に清々しい気分になった。やはり私は絵を描くのが最高に良い。

お昼は、筍、ワカメ、ホタテ、を煮込み、仕上げに摘んで来た土筆を入れた。熱いうちに花カツオを散らすと春らしくとても美味い。母は美味しそうに食べていたが、急に食べるのを止め吐き気で辛そうな顔をした。直ぐにナウゼリンを飲ませると5,6分で収まり食欲は回復した。

最近、そのように食事中に吐き気を訴える事が増えた。肝臓の腫瘍マーカー値は高く、レントゲンを撮ると肝臓の腫瘍が横隔膜を押し上げているのが分かる。それでも激変しないのは、高齢のため腫瘍の成長が緩慢な為だ。先日、春物の上着を着せると、腹回りのボタンが留まらない。太ったのではなく、確実に腫れは大きくなっている。平穏な日々に見えるが、ある日限界点を越えて突然に母は激変するのだろう。

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