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2008年4月25日 (金)

整形外科から内科へ病院のハシゴをした。08年4月25日

朝8時半、4週毎のペインクリニックのために、新河岸川対岸の北赤羽整形外科へ母を連れて行った。予約は8時45分だが、着くとすぐに治療にとりかかってくれた。終わるのは45分後なので、一旦帰宅して雑用を済ませた。母が居ない住まいはシーンとして静かだ。やがて厭でも、それが私の日常になる。静かで自由なのは素晴らしいが寂しくもある。もし私が40代なら、思いっきりやりたいことに挑戦する。しかし、60代の私では限界がある。

先日の新聞の週刊誌広告に、人気女占い師がテレビ降板した途端体調を崩した、とあった。体が楽になると、却って心身のバランスを失う。母が逝く頃は、私も身体にひずみが次々と生じる時期で、よほど気持ちを引き締め、体調管理に努めないと大変な晩年になってしまいそうだ。

母は珍しく、朝食のアイスクリームを食べなかった。それはアイスクリームに抹茶とオリーブ油を加えたもので、高カロリーで栄養バランスが良く、母の体調を保つ大切な食べ物だ。一昨年、母が緊急入院した最悪の頃でも、これだけは食べてくれて助かった。素人の私に特定は難しいが、楽観的には老人性鬱、悲観的には再発した肝臓ガンの症状と考えられる。

いつもは北赤羽整形から電話がかかってから迎えに行くが、今日は早めに行った。母は既に治療を終えて車椅子に座って待っていた。直ぐに支払いを済ませ、近所の生協浮間診療所へ向かった。静かな住宅地の移動は心地良い。途中、布団屋の軒下にツバメの巣があったので母に見せた。抱卵中の親鳥が珍しそうに見下ろすつぶらな瞳がとても可愛い。

診療所の担当医の藤沼医師はすぐに診てくれた。聴診器で胃腸の音を確かめ、色々質問をした。どうやら潰瘍の再発はなさそうだ。老人性鬱のように見えるので、その治療薬はないかと聞くと、スルピリドを処方してくれた。藤沼医師は素人の私の考えでも率直に耳を傾けてくれる。もし大病院なら、絶対にそうはいかない。支払いは190円と格安であった。

早く内科が済んだので、自然公園へ向かった。
緑道公園の途中にある桐ヶ丘体育館に消防車が次々と向かう。近づくとテレビ中継車が止まり、上空にはヘリが舞っている。何事かと通行人に聞くと体育館で異臭騒ぎがあったようだ。運動用具倉庫かトイレの配水管あたりから硫化水素様の異臭がして、敏感な人が騒いだのだろう。それくらいのことで消防車とは厭な時代になったものだ。

新緑の自然公園へ着くと母は少し元気になり、いつものように休み休み歩いてくれた。持って生まれた長命体質の人と違い、母が生きているのは、この日々の積み重ねのおかげだ。

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