ホームレスの生き方に幸せの法則がある。08年4月3日
2日
自然公園を、母はいつものように歩いてくれた。しかし、歩みは遅く疲労濃く見える。そんな母を、日なたボッコの青トカゲがボーッと眺めていた。彼らは何も考えてはいないが、彼らの視線に優しさを感じる。
春眠暁を覚えず、とても眠い。自然公園の古民家に着くと、すぐに土間に母の車椅子を置いて座敷で横になった。煤けた天井を見上げていると、いつの間にか5分ほど寝入っていた。古民家の完成は平成17年4月。3年利用しているだけなのに、柱の傷や天井の染みに馴染み、子供の頃から住んでいる気分だ。毎日出会う馴染んだ人たち。自分の庭のような散歩コース。このこの一連の環境は家庭的で、とても安らぐ。三日乞食をすると止められない、の諺がある。路傍の好きな場所を選んで我が家とする自由な開放感から、その諺が生まれた。住空間だけでなく、家族の範囲を広げられたらもっと自由に生きられるのかもしれない。
私に子供や妻はなく、家族と言える者は、いつ死んでもおかしくない94歳の母と、姉や兄たちだけだ。上の姉とは3年以上、九州の兄とは20年会っていない。だから、会って話した回数は赤の他人の方がはるかに多い。この部分だけを見ると、家族と他人の差は小さい。もし、安全と健康の条件を満たすなら、ホームレスの生き方に幸せの法則が見つけられそうだ。
3日
午前中、散歩を休み、桜並木の花吹雪の中を歩いて床屋さんへ行った。
この床屋さんとの付き合いは30年以上だ。二代目に頭をあたってもらっていると、隣の客が、「赤羽に開業して何年なの。」と二代目に聞いた。先代が開業したのは昭和23年、今の場所へ移ったのは昭和33年、との返事。「ホー、随分な老舗ですね。」と、私が相づちを入れると、理髪業は地域密着型職業で、何処でもそんなものだと言う。そう言えば、赤羽で分からないことは床屋さんに聞く。かかりつけの皮膚科医院も、床屋さんに評判を聞いて決めた。二代目と私は同年代だ。このまま互いに元気でいて、70代くらいまでは頭をあたってもらいたいと思っている。このような関係は良いものだ。
午後、母を散歩に連れ出した。東京北社会保険病院下の公園で歩かせたが、母の疲労が強く半分で止めた。私も気怠いので、遠くへ行くのは止めて、東京北社会保険病院の屋上庭園へ回った。
屋上庭園の花カイドウは満開だった。疲労で暗い表情の母は溢れるカイドウの花を眺めて明るくなった。この屋上庭園を散歩する人は殆どいない。花壇にはパンジーが忘れ去られたように咲いている。人に眺められることのない花は、何故か清澄で美しい。
夜、テレビのリモコンの操作を間違えて、巨人中日戦が入ってしまった。野球には興味はないが、巨人は4連敗中なのは知っている。画面では攻撃中の巨人は5-1で負け試合だった。
私のジンクスでは、最初に写った試合で、攻撃中のチームが必ず勝つ。そのジンクスに従えば、巨人は逆転勝ちすることになる。今度こそ外れだろう、と思いながらチャンネルを変え、再度、試合結果を見ると、5-6で巨人が逆転勝ちしていた。
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