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2008年5月23日 (金)

介護とはリスキーなものだ。08年5月23日

昨日から台布巾を探しているが見つからない。母の部屋の棚上に保管しておいた古いスケッチブックを下ろした時、積もったほこりをそれで拭き取った。その時、来ていた姉が傍らで部屋を片付けていた。もしかすると、姉が何処かへ片付けたのかもしれない。湿った台布巾なので、置き場所が気になる。

昨日22日、
夕飯の後、母をベットに就かせ、古い友人の初個展オープニングへ出かけた。彼女は出版を主力にイラストを描いている。センスの良い人なので、前々から個展を薦めていたが、たまたまカメラマンとの二人展の話が来たので乗っかったようだ。

埼京線で真っすぐ渋谷へ出た。渋谷駅構内はムッとする蒸し暑さだ。その上、安物洋菓子のすえた匂いに人いきれ。その中を息をこらして地下鉄銀座線に向かった。日頃、自然の中で暮らしているので、これは我慢ならない。

外苑前で下車して、青山通りを少し行ったビル地下が会場だ。オープニングは盛会だった。彼女とは10年ぶりの再会だが、外見は昔と変わらない。電話は年に1回、必ずしているので、彼女は母が弱ったことを知っている。彼女は「寂しくない。」と、母が逝った後一人になる私のことを聞いた。それで、少し話した。

終末期になると、魂が本人が好きだった様々な場所に染み移る。だから、ゆかりの場所では、いつまでもその人を感じ、寂しさが和らぐ。しかし、親しく接していなかった家族は、それを感じない。そのような内容を話すと「それ、とても分かる。」と、彼女は深く頷いた。

相方のカメラマンはハーフの若い女性で、外人客もちらほら見える。見た所、彼女とカメラマンは親しい関係ではない。客もイラストと写真の二つのグループに分かれ水と油のように溶け込まない。
私は二人展の経験はないが、余程親しい間柄でないかぎり、やらない方が良いと思った。殊に写真と絵の併設は馴染みが悪く、展示作品の印象は薄められる。

残り時間は、会場の隅から来客を眺めていた。彼女は絶えず来客に話しかけ、サービスに努めていた。昔、私もサービス精神旺盛で、そんな彼女にそっくりだった。
今の私は客にあまりサービスはしない。会場の隅に黙って座っていて、知人と視線が合った時だけ「やー」と片手を上げて挨拶する程度だ。

夜8時過ぎ、会場を出て帰路についた。
帰宅は9時少し前。いつものことだが、母が無事か気になった。急いで部屋へ行くと、丁度ポータブルトイレを済ませたところで、ベットに腰かけていた。「楽しかった。」と聞くので、いつものように「まーね。」と曖昧に答えた。

母のことはいつも気になるが、それだからと外出を控える事はしない。傍らにいても知らないうちに逝くことはある。介護とはリスキーなもので、絶対安全を図るには個人では手に余る。

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