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2008年6月13日 (金)

家にこもっても何も解決しないが、外へ出れば良いことが起こる。08年6月13日

朝から梅雨の晴れ間。気温は昨日より10度高いが湿度が低く爽やかだ。しかし、寝不足で気怠い。毎朝、5時に母が目覚めるので、その気配で私も目覚めてしまう。明日からは、遅寝をするように母に言っておいた。

自然公園では椎の木陰で休んだ。涼しい風が吹き抜け心地良い。昨日の母は死にそうな様子だったが、今日は少し生き返った。母の疲労感は、血中酸素飽和度が低いからだけでなく、鬱も絡んでいるようだ。
私も、プレゼンに加わったカレンダーの仕事を落してしまって滅入っていた。しかし、今日の散歩で気分が晴れた。自然公園の石垣から顔を出している青トカゲたち。楽しそうにさえずる小鳥。生き生きとした草木。それらを眺めていると、厭なことを忘れてしまう。

古民家では座敷に上がって畳に大の字に横になった。天井の染みも、開け放った障子の間から見える風景も、我が家に戻ったように馴染んでいる。土間で母が、係の女性と世間話をしているのを途切れ途切れに聞きながら、いつの間にか寝入ってしまった。5分程の眠りだが、気怠さは少し消えた。

帰り、赤羽台団地を車椅子を押していると、傍らに青い車が止まった。
「篠崎さん。ここを通っているの。」
運転席から馴染みの床屋さんが声をかけた。後部座席には見知らぬ老人。老人は86歳の一人暮らし。足が弱り床屋さんへもタクシーを使う。それを気の毒に思って送迎をしていると床屋さんは話した。
「ぼくも、年を取ったら送迎をよろしく。」と言うと、
「何言ってんの。こちらが年上だから、私が助けて欲しいよ。」と、床屋さんは笑った。

床屋さんはクリスチャンで困っている人を見ると無視出来ない。年初め、近所のガード下で肺炎で倒れていたホームレスの老人を助けた。更に退院後、ガード下に戻った老人に防寒着や食べ物を差し入れていた。この善良さを見ていると、世の中は捨てたものではない、と思えてくる。

昼食後、いつものように母は無口になったが、昨日より気分は良さそうだ。開け放った玄関から、書き割りのように下界の明るい風景が見える。私の置かれた事態は少しも改善されていないのに、何となく幸せである。それは、散歩をしたからかもしれない。家にこもっていても何も解決しないが、外へ出れば良いことが起こるようだ。

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