背中が痒い時、一人者なのが厭になる。08年6月6日
昨夜までは冬布団が気にならないほどの涼しさだったが、今日は好天で気温が上がった。しかし、暑いほどではない。今日も散歩を休んで、生協浮間診療所の10時の予約に母を連れて行った。診察は簡単に済んだので、悪くはなさそうだ。酸素飽和度は相変わらず低いが、「お年ですし、まあ、こんなものでしょう。」と藤沼医師は明るく言った。母はそう言われただけで気分が良くなる。次回は胸のレントゲンを撮り、胸水の減り具合を見る。
診療所から桜並木の薬局へ回った。薬を受け取ると、母は急にトイレに行きたいと言うので、真向かいの東京北社会保険病院へ連れて行った。車椅子用トイレは薬局にも、近くの公園にもあるが、病院のは清潔で広く使いやすい。母はすっきりと通じがあり、喜んでいた。
久しぶりに病院の屋上庭園へ出てみた。相変わらず誰もいない。ハガキ用の母の写真を数枚撮って、遊歩道脇に繁茂しているスペアミントの葉を摘んで、爽やかな香りを嗅いだ。この香りは気分をすっきりさせる。
生協で昼食の食材を買って帰った。少し汗をかいたが、シャワーを浴びる程ではない。溜まった汚れ物を洗濯してから、少し仮眠を取った。目覚めると背中が痒い。痒み止めを塗るのに、手の届きにくい場所で苦労した。
母も今年始めから、背中左肩甲骨あたりがとても痒く、ステロイド配合のかゆみ止めを処方してもらっている。見た目は何も異常がないので、老人性のものだろう。
昨夜、母がベットに就く前、背中に薬を塗りながら、「塗ってくれる人がいて良いね。おれは年取っても誰も塗ってくれないよ。」と、言うと、「それは可哀想。その時は、わたしが化けて出て、塗ってあげるよ。」と、母は軽く言った。母は生まれてから今まで、一人の生活を一度も経験していない。そのように万事突き詰めて考えない母の楽天的な性格は、そんな生活からきているようだ。
先日、緑道公園の陸橋の坂を車椅子を押し上げていると、
「いつも苦労をかけてすまないね。私が大金持ちだったら、沢山お金を上げるんだけど。」
と母がねぎらった。
「馬鹿だね。大金持ちだったら、車椅子を息子に押させたりしないよ。」と言うと、
「そうだそうだ。付き添いを5,6人雇って、毎日、車椅子の大名行列して、散歩道で挨拶してくれた人には1万円ずつ上げちゃう。」と、母は品のないことを言った。
「お金をばらまいていたら、善い人もお金目当てに見えて、世の中がいやになるよ。」と言うと
「そうか、今のままの貧乏の方が良いね。」と母は笑った。
私は贅沢をしたいとは思わないが、貧乏はいやだ。安心して絵に集中出来るくらいのゆとりは欲しい。
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