梅雨の晴れ間に、花の甘い香り。08年7月7日
朝の小雨はやむとの予報を信じ、1時間遅らせて雨具は着けずに散歩へ出た。僅かに落ちていた雨はすぐにやみ、曇空の蒸し暑さが肌をベタつかせる。途中、梅酢入りの冷水を飲んだ。さっぱりして美味い。
散歩道に花の香りが漂う。個性的なクチナシとユリの香りは分かるが、甘い香りのアカメガシワとトウネズミモチは最近まで分からなかった。トウネズミモチの葉は日本のネズミモチに似ているが種は違う。高木に育ち、今の時期は小さな白い花が穂状に咲いている。アカメガシワは荒れ地を好むパイオニア植物で近年各地に激増した。地味な小さな花なのにとても香りが良い。
自然公園ではウグイスが鳴いていた。春先まで幼く調子外れだったが、すっかり上手くなった。
数日前に、新しいカルガモ夫婦がヒナを孵した。しかし昨日、全滅してしまったと自然公園の愛鳥家たちが憤慨していた。犯人は野良猫か、カラスか、池に不法に放流されたブラックバスなのか分からない。田圃の畦道で、いなくなったヒナを呼ぶ親ガモの声が哀れだった。
古民家には七夕飾りが飾ってあった。母と眺めていると、顔見知りのおばあさんに会った。母より少し年下の所沢の方で、赤羽在住の娘さんに連れられて来た。
おばあさんは東京北社会保険病院の眼科にかかるため、月に一度は赤羽に滞在する。所沢にも良い眼科はあるが、赤羽は自然公園へつれて来てもらえるので、楽しみだそうだ。母は話しが弾み嬉しそうだった。母と彼女達は古民家脇の小道で、昔風に手を振りながら別れた。
帰りに薄日が射し始め、一段と蒸し暑くなった。帰り道の袋小学校のプールから子供たちの歓声が聞こえた。プールの水音を聞くと、冷たい水に飛び込みたくなる。もう、10年以上泳いでいない。
大堂津での子供時代は目の前の海水浴場で毎日泳いでいた。宮崎市に引っ越してからは青島の海水浴場で泳いだ。海は八月になると土用波が電気クラゲを運んで来る。これに刺されると飛び上がる程痛く、ミミズ腫れになって一夏治らない。それが厭で、8月になると市の南10キロ程にある双石山系の渓流で泳いだ。
今は渓流沿いの森林鉄道が観光道路に変わり、賑わっているらしいが、当時は殆ど訪れる人はなかった。私は渓流の静かな淵にプカプカ浮かんでヒグラシの声を聴くのが好きだった。宮崎大宮高校の3年になっても、私はのんびりと夏を過ごし、翌年の芸大受験の学科に落ちてしまった。
そんなことを思い出したのは、宮崎大宮高校弦月会の同窓会案内が届いたからだ。
これは総会で大先輩から近年の卒業生まで、300人ほどが帝国ホテルに集まる。出席者には各界で活躍している人も多く、もし出席すれば9月個展の大きな宣伝になる。しかし、今まで殆ど欠席し、維持費も払っていない。今更、得になるからと出席するのは打算過ぎる。それにしても、生活の先行きを思うと気が重い。
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