深夜、母が呼ぶ幻聴で目覚める。08年8月15日
今朝の午前3時、母に呼ばれて寝室へ行くと、母は死んだように眠っていた。どうやら、幻聴で目覚めたようだ。行ったついでに、寝相が悪い母をベットの中央へ押しやると母は目覚めた。
「随分早く、起きたのね。もっと寝ていたら。」
母は寝ぼけ声で言った。私も起きたくはないが、幻聴は本当に呼んでいることがあるので聞き流せない。
先日の深夜、母に呼ばれた気がして目を覚まし、様子を見に行くと母はベットからずり落ちかけていた。ベット傍らのポータブルトイレを使おうと起き上がり、腰かけた布団の縁から尻が落ちて不自然な姿勢なまま私を呼んでいたようだ。そのまま放っておくと危険な状況だった。
「よく起きてくれたね。苦しくて死ぬかと思った。」と母は安堵していた。
抱え起こしてから、すぐにベットに滑り止めを付けることにした。安物の椅子用のクッションが多数買ってある。それをベットの縁にガンタッカで留め、折り返して厚みを作り滑り止めにした。作業は5分ほどで終わった。こんな時、手作りの木製ベットは自在に加工できるので便利だ。ガンタッカとは大きなホチキスで、コの字形のステープルをバネの力で打ち込む大工道具だ。通常、私はキャンバス張りに使っている。
この幻聴は母が逝っても、長く悩まされそうだ。一人になってから、夜中に母の呼ぶ声で目覚め、すぐにいないことに気づく。そんな時に喪失感に悩まされるのだろう。
昨日は母の体調が悪く散歩を休んだ。老人性の欝によるものなら無理に連れ出せば元気になる。しかし、脚が浮腫み強い吐き気がある。ナウゼリンで吐き気を押さえ、強壮剤を飲ませて寝せておいたら、夕食前に少し回復した。
今朝は浮腫みは消えて、元気になっていたので、この夏一番の猛暑の中へ散歩へ連れ出した。
桜並木のアオノリュウゼツランの花は頂上近くの房が開花して、暑い中、4,5人の見物客が見上げていた。この花には人々を惹きつける神々しさがある。今月末には総てが咲き終えて、枯れ始めるだろう。根元の葉は、元気な頃は厚さ15センチ程あったが、最近は少ししなびて来た。秋に枯れた株を想像すると少し寂しい。
緑道公園の陸橋脇の百日紅が今年は例年以上に美しく咲き誇っている。この花は氷いちごのようにはかなく見えるが、名の通りとても強靭で、10月末まで咲き続ける。満開の花の下を抜けると甘い芳香に包まれ、美しい女性とすれ違ったように感じた。
眩しい程に照りつける夏の陽光に、散歩道から人影が消えていた。気温は高いが母は霧吹きで暑さに耐え、無事に散歩を終えることができた。
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